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談 話 室

2003/02/28 (金)

アクエリアス談義(その1)

桃井 「岩田先生は、アクエリアスの時代ってどう思います?」

岩田 「それは太陽の春分点が、魚座から水瓶座に移動することによって、人類が精神的・霊的に進化する時代がやって来るという考え方だね。アクエリアスの時代は、魚座の時代を代表する世界宗教であるキリスト教が終わり、新しい世界宗教が登場するという考え方があって、それを活発に主張している新興宗教も、多いんじゃないかな。」

桃井 「インド占星術では、アクエリアスの時代をどう考えるんですか?」

岩田 「インド占星術では、春分点を重要なポイントとして使用しないから、アクエリアスの時代という考え方はないんじゃないかな。
 でも、春分点が12星座を1周する1プラトン年の約25920年周期に近い、ユガという24000年の周期がインド占星術にも存在する。このユガは西洋占星術とは逆に、春分点の対向にある秋分点の位置を、重要なポイントとして使用するんだ。」

桃井 「それじゃあ、アクエリアスの時代じゃなくって、水瓶座の対向に位置する星座の、獅子座の時代ですね。」

岩田 「うん、そうなっちゃうね。スワミ・スリ・ユクテスワは、西暦の499年から2499年までを乙女座の時代として、それ以降の2000年を獅子座の時代、つまり春分点を見ればアクエリアスの時代と規定している。
 でも、ユガの区分は星座単位じゃなくって、1200年を整数倍した、24000年をカリ・ユガと二つのドワパラ・ユガ、36000年を二つのトレータ・ユガ、96000年をサティヤ・ユガという期間区分をして、合計240000年にしているんだ。」

桃井 「実際的な考え方は、ずいぶん違うんですね。」

岩田 「そうだね。似た部分がある、異なった二つの占星術技法だと思った方がいい。
 ユクテスワによれば、西暦1700年には最悪のカリ・ユガが終わり、今はドワパラ・ユガの時代だそうだ。そして4100年にはトレータ・ユガに入ることになる。これはインド占星術の立場から見た新しい人類進化の始まりの時代だね。」

桃井 「それはずいぶん先になりますね。」

岩田 「そうだね。でもインド占星術には諸説があり、このユガの計算も例外ではないから、カリ・ユガの時代はまだ終わっていないとする考え方もある。」

桃井 「でもこれはサイクルが長過ぎて、検証できませんね。」

岩田 「うん、240000年では歴史の資料で検証することすら出来ない世界だね。今日はこのくらいにして、次はアクエリアスの時代を、インド占星術の立場から分析するとどうなるかについて話そうか。」

桃井 「よろしくお願いします。」

2003.02.25

ハウス展開の技法あれこれ(その3)

岩田 「桃井君は、トリコーナ・ハウスの5室の象意の中に、「公衆の面前での屈辱」という象意が入っているのを知っているかな?」

桃井 「はい、研究員用レファレンスのハウス象意に載っていますけど、なんでこの象意が5室にあるのか不思議に思っていました。」

岩田 「そうだね、私もインド占星術を学び始めた頃は、古典としてこの象意が5室に存在する理由がまったく判らなくって、実際のリーディングで使うことは出来なかった。逆に言えば、この象意がトリコーナ・ハウスに存在する理由を発見したときは、とてもうれしかったのを憶えている。

 実は、この象意がトリコーナ・ハウスに存在するのが、ハウス展開の技法と似たパターンで導き出せると知っていれば、これを解くのはそんなに難しいことではないんだ。桃井君はこのヒントで解答が導き出せるかな?」

桃井 「えーっと・・・・・・。
 そうですね、「公衆の面前での屈辱」という象意は、ドシュタナ・ハウスの6室と8室にもある象意ですから、5室がハウス展開で6室や8室の役割をするんだな、というのは推測できます。でもそこからフィニッシュまでいきませんね。」

岩田 「そこまで判るなら、あともう1歩だね。でもその1歩は、純粋なハウス展開の技法ではないから、複雑なハウス展開を始めても迷路に入ってしまう。5室が6室や8室の役割をするにはどのハウスが1室になる必要があるかを考えて、そのハウスが1室として使える理由を考えるというプロセスで、もう一度解答を考えてみるといい。」

桃井 「はい。」

桃井 「5室が6室の役割をするには、12室が1室の役割をする必要がありますし、5室が8室の役割をするには、10室が1室の役割をする必要がありますね。12室と10室では、10室の方が社会的な自分の地位という意味で1室として自然ですね。

 そうすると、社会的地位にとっての最大の不幸は「公衆の面前での屈辱」だから、10室から見た最悪のドシュタナ・ハウスの8室は、1室から見た5室になります。」

岩田 「それで正解だね。10室は、西洋占星術では太陽・月・アセンダントと並ぶ重要な表示体であるMCが位置するハウスだから、ここをラグナとして使うのは自然なことだ。」

桃井 「MCってなんですか?」

岩田 「アセンダントが出生時刻の東の地平線なら、MCは出生時刻の天空の頂点だから、アセンダントが決まれば、MCも決まる関係にある。実はインド占星術でもMCという概念が潜在的に存在することを、この5室の奇妙な象意は教えてくれているんだね。」

桃井 「インド占星術でも、密かに天頂に位置する10室をラグナとして使うことがあるんですね。」

2003.02.20

ハウス展開の技法あれこれ(その2)

岩田 「なぜ2室の方が死を呼ぶマラカ・ハウスとして、7室より凶暴に作用するのか、桃井君は説明できるかな?」

桃井 「これはわかりませんね。ハウスの自己展開自体がピンと来ませんから。」

岩田 「そうだね。ハウスの自己展開から説明するのはとても高度だから、もっと基本的なインド占星術の法則からの説明してみよう。

 ハウスの吉凶分類から言えば、2室はニュートラル・ハウスで、7室は守護のハウスであるケンドラ・ハウスになる。ニュートラル・ハウスというのは、その中立性のためにハウス展開の影響をもろに受けるハウスなんだ。そのため9室を失う、9室から12番目のニュートラル・ハウスである8室が最悪のドシュタナ・ハウスになっているし、ニュートラル・ハウスの12室もドシュタナ・ハウスに分類されている。

 残りのニュートラル・ハウスである2室も、生命のハウスから12番目で生命を失う殺人者のハウスとしては7室と同等なのに、その中立的性格のために最悪のマラカ・ハウスになっている。ここにも中立のハウスゆえに最悪のハウスになるという法則が成立していることになる。」

桃井 「中立のハウスゆえに最悪のハウスになるという法則は、意外と応用が広いんですね。」

岩田 「基本法則やその応用法則を丁寧に展開すると、複雑で膨大な技法の集積と思えるインド占星術が、実は数ある占術体系の中でも類の無いほどの理論的構造を持っていることが理解できるようになる。その理論構造の美しさを、インド占星術を学ぶみなさんには、体感してもらいたいと思っているんだ。」

桃井 「最古の神秘的な占星術というイメージで紹介されることが多いインド占星術ですけど、意外な世界が広がっているんですね。」

岩田 「日本人がインド占星術の叡智に貢献出来る部分があるとしたら、複雑で膨大な技法の集積と思えるインド占星術の体系に内在する理論構造から、逆にインド占星術を再構築して提供することだと思うんだ。インド人占星術家が抱えている偉大な伝統の重みが無いがゆえに出来る貢献だからね。」

桃井 「神秘性がなくなることに反対のインド占星術ファンもいるでしょうね。」

岩田 「インド占星術の世界はそのくらいで神秘性を失うほど薄っぺらじゃないね。営業的なこけおどしの異国情緒的神秘性を失った後にこそ、真の神秘性・・・・、つまり秘められた神の叡智であるスピリチュアル・アストロロジーが輝くんじゃないかな。」

a-News 2.32



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