2006/10/27 (金)

インド占星術家と天王星

桃井 「岩田先生、インド人のインド占星術家には、海王星や冥王星は使わないけど、天王星だけはインド占星術にも使う人が結構いるのはどうしてですか?

 インド占星術では外惑星は使わないとか、インド占星術でも外惑星を使うとかなら、それはその占星術家の考え方だと思うんです。

 でも、天王星だけは使うというのは、なんか中途半端な気がするんですけど。」

岩田 「そーゆう質問をしてくるということは、とうとう桃井君も自分で英語のインド占星術書を読むようになったんだね。」

桃井 「はい、でもまだあっちこっちの本から、面白そうな所を拾い読みってところですけど。」

岩田 「インド人のインド占星術家でも天王星だけは使うという立場は、たぶん天王星が肉眼で見える惑星だからというのが、その理由じゃないかな。」

桃井 「えっ、天王星って肉眼で見えるものなんですか?」

岩田 「天王星の明るさは6等級、まあ正確には5.8等だけど、この等級は、簡単な双眼鏡でもその姿をとらえることが出来る明るさだね。

 しかも空気の澄んでいる場所で、夜空でも比較的暗い所に天王星が位置しているなら、淡い青緑色の姿として、肉眼で天王星を見ることが出来るんだよ。」

桃井 「天王星が肉眼で見えるというのは、びっくりの事実ですね。」

岩田 「よく古典的な7惑星以外の、天王星・海王星・冥王星を使うのは邪道だという意見の根拠として、

『天王星・海王星・冥王星は肉眼で見えない天体だから、人間に影響を与えることは無い。』

という主張があるけど、天王星は肉眼でも見えるという事実を前提に、その意見を再検討した方がいいんじゃないかな。

 空気が澄んでいて明るい街灯がなかった古代の方が、天王星はよく見えていた。ただ、その星を望遠鏡で観察するまでは、それが惑星であることを発見していなかっただけなんだから。

 歴史的には、占星術家は天文学者でもあったのだから、古典的な占星術の正統性と正当性を主張するなら、天文学的事実にも十分配慮することも大事だと思う。」

桃井 「そうすると、インド人のインド占星術家で天王星だけ使うのは、天文学的な根拠がしっかりあるということですね。」

岩田 「その占星術家がどう天王星を使っているかが分からないと、根拠がしっかりあると言えるかどうかは分からない。

 でも、天王星は肉眼でも見えるからインド占星術でも無視出来ないと考えて、いろいろ検証した結果使っている可能性は、たしかにある。

 だから頭っから否定しないで、その使い方が実占的に十分有効なのか、じっくりとその意見を検討してみてもいいとは思うよ。」




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