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有名人検証 アマチ&ラーマクリシュナ

●パワフルな土星

桃井「岩田先生、研究日誌でやっていたアマチのリーディングなんですけど、ケンドラの1室に在住するパワフルなトリプル・ラージャ・ヨーガ・カラカの土星って、「慈愛の母」というイメージと合わない感じがしますね。」

岩田「うーん・・・、土星は最もパワフルな生来的凶星として嫌われるのが常だからね。でもアマチの土星は、この200年くらいの間でインドに登場した聖者の中では、最大級の聖者であるラーマクリシュナ・パラマハンサの土星と、とてもよく似ているんだよ。」

桃井「えっ、そうなんですか。ラーマクリシュナって、ヴェーダーンタ協会を創設したヴィヴェーカーナンダのグルですよね。」

岩田「そうだね。ラーマクリシュナの一生は、神を愛し、神を求め、サマディに入り、神を見、神と語り、神について語る生涯だったといわれている。そしてウォーズウォースの詩に感激し、ヘーゲルに傾倒し、フランス革命の理想に共感する、インテリ青年だったヴィヴェーカーナンダをサマディ体験に導き、霊的覚醒と成長に導いたグルでもあるね。

 ラーマクリシュナ自身は何の著作も残さなかったけど、その言葉と行動の記録は、「コタムリト(不滅の言葉)」として残されているし、伝記も日本でもヴェーダーンタ協会から翻訳・出版されていたと思うから、機会があったら読んでみたらいいよ。」

桃井「わかりました、こんど探してみます。」

●聖者の共通点

ラーマクリシュナチャート
ラーマクリシュナ・パラマハンサ出生図
 
アマチチャート

アマチ出生図

岩田「それでは、二人のチャートの比較検討に入ろうか。
 ほら、ラーマクリシュナ・パラマハンサの出生図を見てごらん。天秤座で高揚の度数(20°)に近い13°に土星が位置して、双子座に在住する木星から一方的なアスペクトを受けているだろう。
 この双子座在住の木星から一方的アスペクトを受けて、天秤座の高揚の度数内に在住する土星という惑星配置は、アマチの土星とまったく同じだ。」

桃井「あっ、本当だ・・・。不思議な一致ですね。」

岩田「アマチとラーマクリシュナの土星は、これ以外にもう一つ共通点があるんだけと、気付いているかな?」

桃井「えっ、なんだろう。うーん・・・。うーん・・・・・・・。」

岩田「それじゃあ、ヒントをあげよう。二人の土星のハウス支配を見てごらん。」

桃井「アマチの土星は、4室と5室を支配するラージャ・ヨーガ・カラカですよね。ラーマ・クリシュナの土星は、1室と12室を支配してますけど・・・。
 そうか! ケンドラとトリコーナを支配する土星ですね。」

岩田「そのとおり、1室はケンドラ・ハウスであり、トリコーナ・ハウスでもあるので、1室の支配星はケンドラとトリコーナのハウスを支配する支配星であるわけだ。
 1室は最も弱いケンドラとトリコーナのハウスだけど、そこを支配する1室の支配星は、その生来的な吉凶を超えて、在住するハウスの良い要素を強める性質があるのは知っているね。」

桃井「はい、それじゃあ1室の支配星は、弱いラージャ・ヨーガ・カラカとして機能するんですね。」

岩田「月と太陽が一室の支配星の場合は、そう言ってもいいかもしれないけど。でも他の惑星は一室以外のハウスも支配するので、もう一つの支配するハウスの吉凶によって、より吉星化を強めたり、逆にラージャ・ヨーガ・カラカとしての機能を失ったりするから、ラージャ・ヨーガ・カラカと同じというわけにはいかないね。」

桃井「ラーマクリシュナの土星は1室と12室を支配していますけど、この場合はどうなんですか。」

岩田「12室はドシュタナ・ハウスだけど、ハウス支配による機能的吉凶を評価する場合、12室はニュートラルハウスとして扱うという基本原理は、講座に出ていたから知っているね。」

桃井「はい。」

岩田「ラーマクリシュナの場合、1室と12室を支配する土星だから、原理的には機能的吉星ということになるね。一般的なリーディングでは、水瓶座アセンダントの土星は凶星として扱う方が無難だ。しかし霊的・精神的なリーディングでは、12室はとても重要なハウスになるから、スピリチュアルなリーディングでは吉星として扱うべきだろうね。
 したがって二人の土星は、天秤座の高揚の度数内に位置して最大の力を発揮している、ケンドラ・トリコーナを支配して機能的吉星化した土星が、双子座に在住する最大の機能的吉星である木星から、5番目の一方的アスペクトを受けている、という非常に特殊で意味深い一致があるわけだ。」

桃井「すごーい! 絶対に偶然ではない一致ですね。」

岩田「アマチとラーマクリシュナの二人が、この稀で強力な配置を持っているということは、精神性や霊性の傾向、救済者としての力量などに、土星はとても重要な役割を演じていると言っていいんじゃないかな。
 土星は保守的・抑圧的な惑星というのが一般的評価だけど、根本的な刷新や改革の力も秘めているとする立場もある。この土星に高い精神性・慈悲や慈善・伝統の守護者を意味する木星のアスペクトを受けたチャートを持つ聖者が、それぞれの時代に登場することによって、インドは常にその霊的・精神的活力をよみがえらせているのかもしれないね。

 二人の土星にアスペクトしている木星も、単純に最大の機能的吉星である木星からのアスペクトという単純な要素ではないしね。」

桃井「えっ、なんだろう・・・・? えーっと、一つには木星と土星は、1室・7室の相互アスペクトでないから、最大の生来的凶星の土星から、木星がアスペクトを受けませんね。だから、生来的凶星の土星による木星の傷つきがありませんよね。」

岩田「そうだね、ラーマクリシュナの土星は逆行しているので、一つ手前のハウスからのアスペクトを認めれば、土星は木星に10番目のアスペクトをしているけど。

 まあ土星のような生来的凶星は、機能的に吉星化していても、チャートの判断には生来的凶星のアスペクトという要素は考慮する必要があるから、一般的には木星のような生来的吉星には土星からのアスペクトが無い方がのぞましいとは言える。しかしこの場合の、逆行土星の木星へのアスペクトは、ラーマクリシュナの聖者としての個性を示しているとも言えるんだが、とりあえず先に行こう。

 もう一つ特徴は、双子座に位置する木星が自分の支配する射手座にアスペクトしていること。自室に対する支配星のアスペクトは、ハウスと支配星の吉意を強化するから、これも見逃せない要素だ。特に射手座は、木星にとってムーラトリコーナのハウスでもあるから、さらに望ましいことだね。」

桃井「確かに自室にアスペクトしながら、高揚の土星に一方的アスペクトしようとすると、木星は双子座に行くしかないですね。」

岩田「ハウス支配からみでも、アマチは9室、ラーマクリシュナは5室という、トリコーナのハウスに木星は在住している。さらに木星のアスペクトを受ける土星も、アマチは1室、ラーマクリシュナは9室という、やはりトリコーナのハウスで木星のアスペクトを受けている。これ一つだけとっても、なかなかすごい配置と言えるね。」

桃井「もう、この木星と土星の配置って、さあ自由にすごく良い配置を作ってごらんと言われても、なかなか作れないくらいに良い配置ですね。」

岩田「そのとおりだね。ここまでの特徴は二人とも一緒だけど、ラーマクリシュナの出生図はさらにパワフルで精妙だよ。」

桃井「えーっ、そうなんですか。それじゃあ、続きでラーマクリシュナのリーディングを期待してしまいます。」

岩田「いずれラーマクリシュナもやると思うけど、それはタイガー・ウッズのリーディングの次になるんじゃないかな。」

桃井「はい、タイガーウッズのリーディングも、早く読みたいですね。」

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