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有名人検証 クリシュナムルティ

●強力な土星

桃井「岩田先生、もう一人の聖者ってクリュナムルティだったんですね。」

岩田「そう、出生図を見てごらん。クリシュナムルティも、天秤座高揚の度数内に土星が在住し、双子座に在住する木星から一方的アスペクトを受けているだろう。」

クリシュナムルティチャート
出生図

桃井「本当だ。アマチやラーマクリシュナとまったく同じ惑星配置ですね。」

岩田「桃井君はクリシュナムルティについて、どのくらい知っている?」

桃井「名前くらいしか・・・。本屋さんで精神世界のコーナーにいくと、クリシュナムルティの本がけっこうあるんですけど、なんとなく地味な印象ですよね。」

岩田「今の精神世界ではアマチとサイババがスター的・カリスマ的存在だけど、今から20年くらい前はバグワン・シュリ・ラジニーシとクリシュナムルティの二人が、同じようなスター的・カリスマ的存在だったんだよ。」

桃井「ちょっと想像できませんね。」

岩田「クリシュナムルティは、神智学協会の貧しい使用人の子供として生まれた。その薄汚れた少年の発する巨大な黄金色のオーラを霊視した神智学協会のリードビーターは、マダム・ブラバツキーの予言した、アクエリアス時代の到来を告げる救世主(世界教師)であると直観し、ブラバツキーの後継者であるアニー・ベサントのもとに連れていったんだ。
 ベサントは少年を教祖とする「東の星」教団を設立し、リードビーターが未来の救世主としてのエリート教育をその少年に施した。

 エリート教育によって無学な少年から、急速に知的・霊的成長を遂げ青年となったクリシュナムルティは、1929年8月2日の「東の星」大会の席上、「救いは自己の内部にあり、既成の組織は何物ももたらさない」と宣言し、自分の権限で教団を解散してしまった。
 十数万人の会員を持っていた神智学協会は、クリシュナムルティというカリスマを失うことによって会員は三万人まで激減してしまい、その後のクリュナムルティは、世界を回りながら個人として対話・討論・講話を続けていった・・・。
 手短にクリシュナムルティを紹介すると、こんなとこかな。」

桃井「カッコいいというか、ハデというか、すごい話ですねぇ・・・。クリシュナムルティが「東の星」教団を解散して個人としての行動を選んだのは、彼の月がケマドルマ・ヨーガで、しかも火星と土星のアスペクトを受けて傷ついているのと関係ありますか?」

シャドバラ
シャドバラ

岩田「それはいいポイントを突いているね。この月はおまけにガンダーンタの度数内に入っているから、相当傷ついている。ケマドルマ・ヨーガは財・地位・名声を失うヨーガだし、月に対する火星と土星のアスペクトは、広い意味でのサンニヤシ・ヨーガだから、こっちは逆に財・地位・名誉を厭って自分から放棄するヨーガともいえる。

 それから高揚の度数内に位置し、シャドバラが1.90という異常に高い数値の土星が、最強のケンドラ・ハウスの十室に在住していることも、教団を解散した一つの要因だね。
 十室の土星も高い地位を失うという意味があるし、十室の土星は上司と衝突しやすく、個人事業が向いている。だから神智学協会の教義に都合のいい救世主という役割を、素直にこなせるようなタイプではなかったんだろうね。」

桃井「たしかに、シャドバラが1.90なんていう土星って、見たことがありませんね・・・。
あっ岩田先生、この土星のビナシュタカ・ヴァルガを見てください。これもすごい配分ですよ。」

アシュタカヴァルガ
ビナシュタカ・ヴァルガ
ダシャー
ヴィムショタリ−・ダシャー

岩田「本当だ。おそらく土星のポイントが急落している所で教団を解散しているんじゃないかな。チャラカさん、土星のトランジットを確認してくれない。」

チャラカ>「えーっと・・・・。1929年8月2日の土星は、射手座の1度36分で逆行しているから、5ポイントから2ポイントに急落してる所で解散していますね。」

岩田「これはすごいね。出生図の月が射手座の2度47分だから、射手座の1度36分とは1度しか離れていないタイトなコンジャンクションを、ガンダーンタの領域で出生図の月とトランジットの土星が形成するというタイミングで、このイベントは起きたことになる。

 それにトランジットの土星が、出生図の傷ついた月が在住するハウスに突入して、サディ・サティのハウス移動と同じタイミングだし、土星のビナシュタカ・ヴァルガの急落と重なるんだから、もうここしかないようなトランジットのポイントで、教団を解散していることになるね。」

桃井「ヴィムショタリ−・ダシャーを見ると、十二室に在住する月のマハーダシャーで、十二室の支配星で六室に在住する木星からアスペクトを受けたラーフのアンタラーダシャーですから、救世主に祭り上げられることに嫌気がさしていたので、突然に解散表明をして、孤独な道を選んだと読んでみたんですが。」

岩田「それも、ポイントを突いた読み方だね。重大なイベントは複数の技法で、同じ結果が確認できるのがインド占星術では普通といえる。このヴィムショタリー・ダシャー、アシュタカヴァルガ・トランジット、トランジットの三つからこのイベントが読み取れるのは、インド占星術の豊富な予言技法を使ったリーディングの面白さだね。」

桃井「そうですね。インド占星術の予言技法は基本通りに使うだけでも、驚くほど正確なリーディングが出来ますね。」

岩田「今回のクリシュナムルティの実例で、ケンドラやトリコーナを支配して、高揚やムーラトリコーナの星座に位置する土星に、土星から数えて九番目の星座・ハウスから、木星が一方的にアスペクトするという惑星配置が、救済のヨーガといえるような意味深い配置であるということは、ほぼ確認できたんじゃないかな。
 ラーマクリシュナ、クリシュナムルティ、ダライラマ14世、アマチというここ150年くらいに登場した主要な聖者に共通する惑星配置があるというのは、とても興味深いね。」

桃井「スワミ・ヴィヴェーカーナンダや、パラマハンサ・ヨガナンダはどうなんですか? かれらも世界的に有名で、先生もお気に入りの聖者だと思うんですけど。」

岩田「スワミ・ヴィヴェーカーナンダはラーマクリシュナ、パラマハンサ・ヨガナンダはスワミ・スリ・ユクテスワという偉大なグルに、青年時代から救済の使命を果たせるように、大事に育てられているという特徴がある。
 パワフルな土星は、そのような偉大なグルの守護なしに、救済の使命を果たすタイプの救済者に特徴的なんじゃないかな。」

桃井「それはわかりやすい聖者の分類ですね。それから、マザー・テレサはどうなんですか?彼女も聖者といっていいんじゃないんでしょうか。」

岩田「マザー・テレサについては興味深い惑星配置があるので、そのうち桃井君と研究日誌をやることになると思うよ。その時にじっくり解説しよう。」

桃井「それはたのしみですね。」

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