研究日誌有名人検証 クリシュナムルティ●強力な土星桃井「岩田先生、もう一人の聖者ってクリュナムルティだったんですね。」 岩田「そう、出生図を見てごらん。クリシュナムルティも、天秤座高揚の度数内に土星が在住し、双子座に在住する木星から一方的アスペクトを受けているだろう。」
桃井「本当だ。アマチやラーマクリシュナとまったく同じ惑星配置ですね。」 岩田「桃井君はクリシュナムルティについて、どのくらい知っている?」 桃井「名前くらいしか・・・。本屋さんで精神世界のコーナーにいくと、クリシュナムルティの本がけっこうあるんですけど、なんとなく地味な印象ですよね。」 岩田「今の精神世界ではアマチとサイババがスター的・カリスマ的存在だけど、今から20年くらい前はバグワン・シュリ・ラジニーシとクリシュナムルティの二人が、同じようなスター的・カリスマ的存在だったんだよ。」 桃井「ちょっと想像できませんね。」 岩田「クリシュナムルティは、神智学協会の貧しい使用人の子供として生まれた。その薄汚れた少年の発する巨大な黄金色のオーラを霊視した神智学協会のリードビーターは、マダム・ブラバツキーの予言した、アクエリアス時代の到来を告げる救世主(世界教師)であると直観し、ブラバツキーの後継者であるアニー・ベサントのもとに連れていったんだ。 桃井「カッコいいというか、ハデというか、すごい話ですねぇ・・・。クリシュナムルティが「東の星」教団を解散して個人としての行動を選んだのは、彼の月がケマドルマ・ヨーガで、しかも火星と土星のアスペクトを受けて傷ついているのと関係ありますか?」
岩田「それはいいポイントを突いているね。この月はおまけにガンダーンタの度数内に入っているから、相当傷ついている。ケマドルマ・ヨーガは財・地位・名声を失うヨーガだし、月に対する火星と土星のアスペクトは、広い意味でのサンニヤシ・ヨーガだから、こっちは逆に財・地位・名誉を厭って自分から放棄するヨーガともいえる。 桃井「たしかに、シャドバラが1.90なんていう土星って、見たことがありませんね・・・。
岩田「本当だ。おそらく土星のポイントが急落している所で教団を解散しているんじゃないかな。チャラカさん、土星のトランジットを確認してくれない。」 チャラカ>「えーっと・・・・。1929年8月2日の土星は、射手座の1度36分で逆行しているから、5ポイントから2ポイントに急落してる所で解散していますね。」 岩田「これはすごいね。出生図の月が射手座の2度47分だから、射手座の1度36分とは1度しか離れていないタイトなコンジャンクションを、ガンダーンタの領域で出生図の月とトランジットの土星が形成するというタイミングで、このイベントは起きたことになる。 桃井「ヴィムショタリ−・ダシャーを見ると、十二室に在住する月のマハーダシャーで、十二室の支配星で六室に在住する木星からアスペクトを受けたラーフのアンタラーダシャーですから、救世主に祭り上げられることに嫌気がさしていたので、突然に解散表明をして、孤独な道を選んだと読んでみたんですが。」 岩田「それも、ポイントを突いた読み方だね。重大なイベントは複数の技法で、同じ結果が確認できるのがインド占星術では普通といえる。このヴィムショタリー・ダシャー、アシュタカヴァルガ・トランジット、トランジットの三つからこのイベントが読み取れるのは、インド占星術の豊富な予言技法を使ったリーディングの面白さだね。」 桃井「そうですね。インド占星術の予言技法は基本通りに使うだけでも、驚くほど正確なリーディングが出来ますね。」 岩田「今回のクリシュナムルティの実例で、ケンドラやトリコーナを支配して、高揚やムーラトリコーナの星座に位置する土星に、土星から数えて九番目の星座・ハウスから、木星が一方的にアスペクトするという惑星配置が、救済のヨーガといえるような意味深い配置であるということは、ほぼ確認できたんじゃないかな。 桃井「スワミ・ヴィヴェーカーナンダや、パラマハンサ・ヨガナンダはどうなんですか? かれらも世界的に有名で、先生もお気に入りの聖者だと思うんですけど。」 岩田「スワミ・ヴィヴェーカーナンダはラーマクリシュナ、パラマハンサ・ヨガナンダはスワミ・スリ・ユクテスワという偉大なグルに、青年時代から救済の使命を果たせるように、大事に育てられているという特徴がある。 桃井「それはわかりやすい聖者の分類ですね。それから、マザー・テレサはどうなんですか?彼女も聖者といっていいんじゃないんでしょうか。」 岩田「マザー・テレサについては興味深い惑星配置があるので、そのうち桃井君と研究日誌をやることになると思うよ。その時にじっくり解説しよう。」 桃井「それはたのしみですね。」
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