HOME / 研究日誌 / シュティフィ・グラフ[2]
Line

研究日誌

Line

有名人検証 シュティフィ・グラフ[2]

●内気な性格の惑星配置

岩田「それじゃあ、約束のシュテフィ・グラフの続きをやろうか。
 グラフの出生図を見ると1室の支配星がとても特徴的なのに気付いたんで、この話から始めようと思うんだ。」

桃井「グラフのアセンダントは双子座で、その支配星の水星は隔離を表す12室の牡牛座にありますね。牡牛座には心を表す月も在住していますから、自分の心を表現しない人なんでしょうね。」

シュティフィ・グラフチャート

岩田「アセンダントから見ただけでも十分に、自己表現しないタイプというのは読み取れるけど、月を1室として見るとその支配星の金星は12室の牡羊座で土星とタイトなコンジャンクションをしている。土星は抑圧的な性質を持っていて、アセンダントに3番目のアスペクトをしているから、これも自分自身を抑圧する惑星配置になる。
  アセンダントや月と同様に、ラグナとしても使用される太陽も月と同じ牡牛座にあるから、太陽がアセンダントから12室という意味と同時に、太陽を1室として見た支配星の金星が12室在住ということにもなる。
 ジャイミニ方式でも、1室の支配星に相当するアートマ・カラカは太陽なので、これも数に入れれば五重・六重の表示ということになるね。」

桃井「これはなかなか強力な配置ですね。シュテフィ・グラフってそういう人なんですか?」 

岩田「プロフィールを確認してみたんだけど、グラフがティーンエイジャーの頃は、母親が心配してもっと外に出なさいと励ますほど、家に閉じこもってばかりいて、招待されたパーティーへ出席するよう説得されても、耳障りなやかましい音楽にがまんできないと言って、1時間かそこらでパーティーを抜け出して帰ってきてしまう、内気で人見知りが激しい性格だったそうだ。」

桃井「グラフのテニスプレーヤーとしての生涯記録は、902勝115敗、ツアー優勝107回、世界ランキング連続186週ナンバー1というとんでもない人ですけど、13歳でプロに転向してからも個人的な生活はそんなふうだったんですね。」

●有終の美 理想的な引退

ダシャー

岩田「じゃあそろそろ、ラーフのマハーダシャーが終わって、1997年からは故障による欠場を繰り返しながらの苦しい試合を続けて来たグラフが、減衰の星座に位置する土星のアンタラーダシャーに入ってから、理想的な引退を飾ることが出来たのは何故かという理由についての検討に入ろう。」

桃井「1999年のフレンチ・オープン準決勝でセレス、決勝でヒンギスというトップランキングを軒並み下しての優勝で、1996年のUSオープン以来のグランドスラム・タイトルですから、たいしたものですね。」

岩田「その後のウインブルドンでも決勝まで進出し、世界ランキング第3位での引退だから、グラフの望んでいた「自分の意志による引退」を、見事にやってのけた事になる。」

桃井「グラフの木星は、アセンダントからは7・10室支配、月と太陽からは8・11室支配の完全な機能的凶星ですから、1999年の理想的な引退劇は不思議ですね。アンタラーダシャーも減衰した土星で、ハウス支配もアセンダントから8・9室支配、月と太陽からは9・10室支配でラージャ・ヨーガ・カラカですけど、牡牛座にとって9室はバダカですし・・・。」

シャドバラ

岩田「グラフの木星は完全な機能的凶星だけど、木星が機能的凶星の場合は、最初の木星・木星期のダシャーが一番厳しい傾向があるんだ。その後は木星の良さがそれなりに出てくるんだね。

 それから土星はグラフにとって、1.46と最もシャドバラの数値が高い惑星なんだ。この土星は、月と太陽から見て12室で減衰して特別な法則が成立しているし、マハーダシャーの木星から見ると、土星は8室で減衰してここでも特別な法則が成立している。
 さらに木星から見ると、6室の支配星が8室に在住しているから、ヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガも出来ていることになる。したがってこの減衰の土星は、ヴィーパリータ系のヨーガを三重に形成しているんだね。

  しかしこの時期は、土星のアシタカヴァルガ・トランジットがそれほど良くはないな。桃井君、土星と2°という緊密なコンジャンクションをしている金星の、アシタカヴァルガ・トランジットを見てくれないか?」

アシュタカヴァルガ
金星のビンドゥ

桃井「はい、調べてみます・・・・。
 この時期、金星は蟹座に位置していますね。蟹座のサルヴァアシタカヴァルガは34ポイント、金星のビナシタカヴァルガは蟹座で7ポイントですから、かなりのハイスコアですね。

 金星は、1.26とシャドバラの数値も悪くないし、威厳を表す5室を支配する金星に助けられて、グラフはテニスの女王として理想的な引退をしたんでしようか?」

岩田「金星はアセンダントから見て5室、月と太陽から見て1室、マハーダシャーの木星から見て9室を支配しているから、トリプルでラクシュミー・スターナを支配している。

 ヴィシュヌ神の神妃であるラクシュミーは吉祥の女神だから、土星と緊密なコンジャンクションをしている金星は、グラフの引退に花を添える幸運の女神になったんだろうね。」

アイコン

Amazon.com

アイコン

この記事に関するご意見・ご感想をお聞かせください
お名前  メール  
メッセージ


メニュー
アイコン HOME
アイコン ご案内
アイコン お知らせ
アイコン 談話室
アイコン 東西占星術ノート
インド占星術アイコン 簡易レファレンス
アイコン 検証 占星術
アイコン 研究日誌
西洋占星術 アイコン 検証 占星術
特別寄稿アイコン インド思想
アイコン 運命学
アイコン 開運術
鑑定案内 アイコン 鑑定案内
講座案内 アイコン インド占星術通信講座
アイコン インド占星術公開講座
アイコン インド占星術個人指導
アイコン インド占星術テキスト
アイコン 受講生の広場
etc. アイコン リンク
アイコン おすすめ書籍
アイコン 誕生日データベース
アイコン サイデリアル・エフェメリス
アイコン サイデリアル星座移動表
アイコン 緯度経度検索サービス
アイコン ホロスコープ・プレゼント