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検証 占星術

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ディスタンス・ヴァリュー

●Distance Value

 通常の西洋占星術で使用されるアスペクトは、惑星と惑星間、もしくは惑星と軸(アセンダントやミッドヘブン)間の黄道帯における距離によって計測します。これについては皆さんもよく御存知の通りですね。
  これとは別に、私がよく使用する惑星のパラメーターにディスタンス・ヴァリュー(Distance Value)と呼ばれるものがあります(以下、ディスタンス・ヴァリューをDVと表記します)。これは、ほとんどの占星家には無視されているのですが、実際は非常に重要なパラメーターなのです。おそらく、日本においては(他の国においても)、そんな概念は聞いたことがないという占星家が大半ではないかと思います。

 ホロスコープに記入するとき、それぞれの惑星があたかも地球から同じ距離にあるかのように錯覚してしまいませんか?例えば、太陽と土星がコンジャクションしているとすると、太陽と土星は両方の惑星とも地球から同じ距離にあるかのような錯覚に陥ってしまいます。

 下の図を見てください。この図は地球から各惑星までの距離を表しています。当然のことですが、この図を見ていただければ、実際は、地球から各惑星までの距離がまちまちであるという事実をイメージ的にも理解しやすいのではないでしょうか。地球からの各惑星までの距離について、それぞれの惑星にとって、地球からもっとも遠くへ離れた時の値を0とし、もっとも近づいた時の値を100とします。それにより、特定の日時において、どの距離に惑星があるかを示した値がDVになります。このDVに関する詳しい研究が存在するのかどうか、私はよく知りませんが、私の研究によると、同じDVの惑星どうしの意味合いは、あたかも相互にアスペクトを形成しているかのように作用していて、その関連する惑星の意味合いから、非常に的確に現象を読み取れることが多いことを実感しています。

 ある惑星と別の惑星が同じDVを示していても、その二つの惑星が地球から同じ距離にあるわけではありません。それにもかかわらず、同じDVの惑星どうしがあたかも相互にアスペクトを形成しているかのように作用するのは、非常に興味深いことです。

DV概略図

それでは、いつものように検証してみましょう。

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■【実例】日本の歴史 -社会占星術(マンデーン・アストロロジー)-

下のグラフは1889年2月11日の午前8時30分の大日本帝国憲法図を基準としたDVに、セコンダリー・プログレッション(1日1年法)で進行させたDVを重ねてグラフ化したものです(以下、セコンダリー・プログレッションのことをP2と表記します)。グラフの色のついた横の太線は建国時の惑星のDVです。色のついた波を作っている普通の線はP2で進行させた惑星のDVの軌跡です。

明治憲法のグラフ

 1941年12月8日、日本がUSAの真珠湾を攻撃したとき、建国図の月とP2の月、P2の冥王星が同じDVでコンタクトしていました(A)。この月と冥王星のコンビネーションは、生活(月)の根底からの変化(冥王星)を表示するコンビネーションです。また、1945年8月6日、9日、広島と長崎にそれぞれ原爆が落とされ、同月15日終戦にいたることになりますが、このとき、建国図の冥王星とP2の月が、同じDVでコンタクトしていました(B)
 これは、日本が真珠湾を攻撃し、第二次世界大戦に突入した時と同じコンビネーションです。月は民衆や生活、冥王星は核兵器や死と再生を象徴する惑星ですから、この時に核兵器(冥王星)が落とされて多くの国民(月)が死に(冥王星)、敗戦によって生活(月)が根底から変化(冥王星)したことが、非常によく表示されています。
 1973年10月第四次中東戦争の勃発により石油・ショックへ。そして、11月はじめに物価が狂乱し、インフレ発生。このとき、建国図の冥王星とP2の月が同じDVでコンタクト(C)。同時に、建国図の火星とP2の海王星が同じDVでコンタクトしています(D)。このときも、生活(月)の根底からの変化(冥王星)が他のケースと同じように明確に表示されています。さらに、このとき、火星と海王星も同時にコンタクトしていますので、その生活の根底からの変化が石油(海王星)を追求すること(火星)、石油(海王星)価格の高騰(火星)、エネルギー(火星)の欠乏(海王星)と関係があることを表示しています。

 通常の占星術ではほとんどその重要性を認識されていないディスタンス・ヴァリュー(DV)ですが、これはタイミングを調べる上で非常に重要な役割を果たしています。そして、これとインド占星術の技法とあわせて分析すると、さらに面白い事実が浮かび上がってきます。

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■インド占星術との併用

  インド占星術を併用する場合、本来ならば、はじめに惑星サイクルと星座サイクルを適用するべきです。なぜなら、もっとも確実な予測技法がダシャーと呼ばれる惑星サイクルや星座サイクルだからです。そして、当然日本の状況をよく映し出していることは間違いありません。しかし今回は、簡略化のため、それについての検証はここでは控えさせていただきます。

■日本の行方

 それでは、今後の日本はどうなるのでしょうか?
これはあまりにも明確なことなので、これについては皆さん自身で研究していただきたいと思います。
  ヒントは、東西占星術研究所で独自に算出したアシュタカヴァルガによる日本のバイオリズムは、トランジットの木星と土星の周期がもとになっているということです。木星の周期は約12年、土星の周期は約30年、その2つの最小公倍数は60年。つまり、これがひとつのサイクルになっています。そして、ここ60年の最低の時期、それから約30年後の最低の時期がいつであったのか、それはトランジットの木星や土星がどのハウス、あるいはサイデリアル星座帯のどの星座を通過する時期であったのかを検討されれば、次の60年周期の最低の時期がいつ訪れるか、簡単にわかるでしょう。そして、その近辺で、P2におけるDVがどのような惑星のコンビネーションを形成しているかを加えて検討します。さらに、惑星サイクルや星座サイクルについて詳しい人は、日本が過去、どのような惑星サイクルや星座サイクルのもとで、どのようなことを経験したか検証すればよいでしょう。他にも使用できる西洋占星術の技法として、P2のディクリネーション(傾き)、ソーラーアーク・ディレクション、ターシャリー・プログレッション(P3)などがあり、それらを検討すればより、面白い情報が得られます。

文:Hada Yoji 編集:Charak

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