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開 運 術

開運術について

チャート インド占星術は、天体の配置が示す個人の運命を知る技術としては、最高峰に位置するといっても過言ではないことを、このホームページの記事を研究された方であれば納得していただけるものと思います。

 しかし、運命学は医学で言えば、「診断」の技術体系であり、「治療」の技術体系が必要なのは言うまでもありません。それではインド占星術に、「治療」の技術体系である開運術はあるのでしょうか。

 中国運命学の最高峰とも言える透派の五術では、運命の「診断」技術としての紫薇斗数推命術・四柱推命があり、運命の「治療」技術として奇門遁甲があります。インド占星術も宝石の処方による開運や、ヤギャがあると紹介されています。しかし、日本で一般公開されている内容は、運命学のレベルに比較すると悲しくなるほど貧弱です。

 また逆に、最高峰の開運術といえども、生活常識や科学法則に反するうまい話はありません。しかし、この当然の事実を語らず、運命の枠を超えた願望成就を願う人々に、後になっていっそう苦しむような願望成就の技法を、提供する人々も存在します。

 そこで、この特別寄稿では、運命学の基礎理論と正しい開運術の実際を、解説することを試みます。これによって、最高峰の運命学を学ぶ皆さんが、この運命学を正しく使い、自他に真の利益を与えることを願っています。

運命学の基礎理論

 運命学が運命の科学とすれば、開運術は運命学の応用技術です。したがって、この特別寄稿では、開運術の解説と平行して運命学の基礎理論についても解説していきます。第一回は占星術が運命予測技術として成立する理由について簡単に解説します。

●実星を使う運命学の基礎理論

1.個人は、日々に行っている心身の善悪の行為の記憶を、潜在意識の深い部分に種子として蓄積していく。

2.この個人の潜在意識の深い部分に蓄積された記憶の種子は、肉体と顕在意識を失った死後もデータとして保存されている。

3.保存されたデータが形成する潜在意識は、データの特性によって次の人生の環境を選択し、次の生の身体を形成していく。

4.天空の恒星は、それぞれが大別してプラスとマイナスに分類されるエネルギーを放射している。

5.恒星の放射するエネルギーは、太陽系内の惑星によって受信され、惑星の特性により変調される。そして再度惑星から宇宙空間に放射される。

6.その結果、恒星の放射するエネルギーのタイプと強さは、太陽系内では惑星の天体配置とその運行によって変化し続ける。

7.この恒星と惑星の放射するエネルギーの状態は、地球では大地との天空の位置関係によって、さらに影響を受ける。

8.地上の生命体はこのエネルギーを潜在意識を受信装置として受け続けている。受信したエネルギーは、潜在意識に種子として保存されていた前生の善悪の行為の記憶を発芽させる。

9.発芽する記憶の種類は、受信したエネルギーのタイプと強さによって選択される。

10.発芽した前生の善悪の行為の記憶は、潜在意識でイメージを形成し、そのイメージは潜在意識の欲求を形成する。

11.潜在意識の欲求は、顕在意識の心・言葉・行動の三つの行いを決定する。

12.この心・言葉・行動の行いは、行いの結果として現実世界において、幸運な結果や不幸な結果を行為者に経験させる。

 この「1.2.3.10.11.12.」のシステムを『カルマ(Karma)の法則』といいます。インド占星術において出生図がその人の運命を表示するのは、この個人の Karma の状態と、出生時の天体配置による星のエネルギーの質が一致するタイミングで、人は出生するという共時性の法則が成立しているためです。

 この「前生の善悪の行為による運命の形成→天空を運行する星のエネルギー状態による運命の種子の選択→選択された運命の種子による潜在意識の欲求の決定→潜在意識の欲求により選択した心・言葉・行動の行いによる幸運や不幸の経験」という、人生を支配するカルマの法則からすべての運命学と開運術の基本原理が導かれています。

(註) Karma は Karman の主格形で Karman の代わりに常用されています。Karman は、Kri から派生した言葉で、原義は「行為」の意味です。人が善か悪かのいずれかの行為をすれば、そこになんらかの潜勢力・余力が残り、それがその行為をした人の次のあり方を支配するという思考が、インド思想の基本となっています。

心を成熟させるために

 人の運命は厳正なカルマの法則によって支配され、一見不平等のように見えても、人はカルマの法則において平等です。これは運命には逆らえないことを、意味するのではありません。

 確かにカルマの法則を理解しないで運命を操る行為は、多くの場合より悪い運命に引き込まれる結果を生みます。しかしカルマの法則を正しく理解し、運用することによって積極的に人生を生き、心を成熟させていくことは可能であり、人間として生まれた魂の義務とも言えます。

 開運術の具体的処方は、個人の運命に応じてオーダーメイド的になされるものです。したがって、運命学や開運術を研究していこうとする人は、この特別寄稿で公開されていく内容を参考に、研究を深めてください。

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