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開 運 術

開運術第二課 異性運・結婚運とは何か

●ハウスと惑星の問題

 一般にインド占星術で異性運や結婚運を見る場合、自分を意味する一室とその支配星、配偶者を意味する第七室とその支配星の状態が最も基本となります。
 また結婚生活の幸福と不幸を検討する場合には、家族状況や配偶者の寿命を意味する二室や子供を意味する五室、そして女性の結婚における地位や妻の財運を意味する八室も見る必要があります。また、恋愛や結婚の判断には、パートナーとの性的関係を表示する十二室も検討する必要があります。

 実際、これらのハウスやハウスに関連した惑星が傷ついていたり、これらのハウスに惑星がほとんど関連していないと、異性運や結婚運が悪かったり薄かったりします。

 惑星に関しては男性では金星、女性では木星が異性のパートナーの表示体なので、この二つの惑星の状態も確認することが必要です。また結婚の表示体として機能する月が淋しい場合、別居や離婚などの事例が多く見られます。

●惑星サイクルの問題

 もう一つの問題は惑星サイクルです。「虚星を使う運命学の基礎理論(補足)」で説明したように、まったく同じ惑星サイクルが巡って来るのは、実質的に一生に一度しかありません。したがって、出生図において異性運や結婚運が良くても、ヴィムショタリー・ダシャーの惑星サイクルで七室や二室に関連した惑星サイクルが良いタイミングで巡って来ないという人もいます。

 出生図で異性運や結婚運が良くても、小中学生の時にその惑星サイクルが巡って来たとしたら、現代日本でそのチャンスをうまく生かすのは、ほとんど不可能です。また、60代・70代になって良い惑星のサイクルが巡って来たとしても、同様にチャンスをうまく生かすのは困難でしょう。

 逆に結婚運や家庭運が悪いのに、結婚適齢期に七室や二室に関連した惑星サイクルが来る人は、結婚出来る可能性が高いとしても、結局のところ結婚したばっかりに結婚生活において多くの苦悩を味わうということになりがちです。

●異性運・結婚運がわるい時

 実際、異性や結婚の問題で悩む人の多くは、これらのハウス・惑星・ダシャーに問題があります。このような場合、運命学的にはどのような対策があるのでしょうか。

 中国運命学では結婚運が悪い場合など、奇門遁甲で方位を使うことが多いのですが、この場合でも「命」の範囲(出生図の良し悪しに相当する)でしか改善できないし、また改善しようとしてはいけないと説きます。それは「命」の範囲を超えて開運術を使うことによって、最終的には不幸に至らせるのを多くの経験から知っているからです。

 方位を使う以外には、「婚期を遅くする・歳の離れた人と結婚する・自分の好みのタイプと結婚しない」などの対策があるとします。しかし、これだけのアドバイスしか無ければ、好みのタイプと結婚できないなら結婚の意味はあるのかという不満や、婚期の遅れに悩んでいる人には無意味という批判が、当然のことながら出てくるでしょう。

 しかし、これは確かに運命学の理論からみても正しい対策と言えます。この対策が意味していることを以下に解説してみます。

運命を変容する微細な意識

 これまで一般的にいう結婚運を、異性運・結婚運と二つの概念に分けて語ってきました。これは現代では異性関係と結婚とが一致しない場合が増えているためです。しかし、この二つの概念も「恋愛運・異性運・結婚運・保護者運・家庭運・子供運」と細分化出来ます。そして、それぞれの概念と対応して、ハウスや惑星の読み方は微妙に異なります。
 また現代の日本は、インド占星術の成立した時代や文化と、結婚や家庭の概念に異なる面があります。したかって、現代の価値観や社会通念に合わせてハウスや惑星を読んでいく必要があります。

 そしてもっと大切なことは、人の幸不幸はその人の価値観によって幸不幸なのであるということです。自分の運命を知ることによって、自分の運命を生かす人生の価値観を身に着けることが出来るなら、それだけで苦しみは減少し、自分の良き運命を生かす人生を歩むことが出来ます。
 しかし私たちは、小さい頃から入れられた情報を自分のものと思い、その情報によって生まれた人生の価値観に支配されています。

 私が運命鑑定に「個人運命カウンセリング」という名前を付けているのは、運命鑑定によって、自分を生かす人生の価値観で生きてほしいという意味があります。

 例えば配偶者を表す七室の傷つきで、異性運が悪い場合は、「自分の好みのタイプと結婚しない」という対策があてはまる典型です。この場合、もし自分の好みのタイプと結婚したら、配偶者が原因で苦悩しながら、家庭運や子供運の良さが現象化する一生を終えがちです。さもなければ、別居・離婚・浮気などによって家庭運や子供運の良さまで傷つく可能性が高いといえます。

 「婚期を遅くする・歳の離れた人と結婚する」なども、一般的な結婚のハウスや惑星と異なるハウスや惑星が作用するための工夫といえます。なぜなら一般的な結婚運が悪い人でも、「恋愛運・異性運・結婚運・保護者運・家庭運・子供運」の全てが悪い人はとても少ないからです。

 これがユングやクラインの心理学が、占星術において価値を持つ理由です。一般的な価値観を超えた洞察によって、個人の運命に合った人生の意義を示し、一般的な意味では良くないと判断される出生図の運命に積極的な価値を見出すのは、かつては宗教の役割でした。  しかし、現代の日本では心理学がその役割の多くを引き受けているといえます。

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