2002.08.04

ラーフ&ケートゥに関する談話

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桃井「岩田先生、イチローの検証の中で、ラーフは双子座で吉星化しやすいってあるんですけど、ラーフって牡牛座で高揚するんじゃないんですか?」

岩田「その説をとっている占星術家も多いね。牡牛座でラーフは高揚し、蠍座でケートゥは高揚するという説だね。さらに牡牛座でケートゥは減衰し、蠍座でラーフは減衰すると考える立場もある。しかし古典ではラーフ・ケートゥの高揚や減衰は、決められていなかったと思うよ。」

桃井「じぁあ、イチローのリーディングに使っているのは・・・。」
 
岩田「この法則は、最近のインド占星術の研究から導かれた法則で、まだ日本ではあまり知られていないだろうね。それと、この法則はラーフが吉星化する条件で、強くなる条件ではないことに注意すべきだね。」

桃井「えーっと・・・?」

岩田「高揚は惑星の力が強くなるポイントで、一般に強い惑星は吉に作用しやすいけど、吉星化と強くなることは100%イコールではないということだね。地のエレメントで金星支配の牡牛座で、ラーフが強力なパワーを発揮したら、現世的・物質的な強い欲望を成就する力にはなるけど、それが吉作用といえるかは微妙な問題だと思わないか。」

桃井「うーん・・・、それは思い当たる人がいます。物質的な願望はいろいろ成就しているわりには、精神的には葛藤が多くて。たしかにこれは、けっこう苦悩する惑星配置かもしれませんね。」

岩田「だよね。物質的・現世的な願望成就は、得た瞬間は大きな喜びを感じても、それを得るまでの間は、期待と希望という精神的苦悩に焼かれ続けるからね。ギリシャ神話で、希望がパンドラの箱に閉じ込められていたというのは、なかなかに意味深長なことだと思うよ。」

桃井「それは、あらゆる災厄がパントラの箱から解き放たれた後、最後に希望が箱の中に残されていたという話ですね。希望も災厄の一種というのは、ギリシャ神話ファンがビックリの解釈ですね。」

岩田「インド占星術ではラーフ・ケートゥを生来的な凶星に分類するけど、スピリチュアルなリーディングでは、ケートゥを解脱の表示体として重要視しているね。ところが西洋占星術ではラーフを吉星、ケートゥを凶星として扱うんだよ。これは解脱を最高の状態とするインド占星術と、西洋占星術の価値観の違いだろうね。」

桃井「西洋占星術でもラーフやケートゥを使うんですか?」

岩田「西洋占星術では、ラーフはドラゴン・ヘッド、ケートゥはドラゴン・テイルという名前だけど、使わない占星術家も多いよ。
 ラーフやケートゥは、条件によっては強力な吉星として機能することも確かだから、リーディングする時には特別の注意が必要だね。」

桃井「だから、ラーフ・ケートゥが読めたらインド占星術も中級だといっているんですね。」

岩田「まあ、ラーフ・ケートゥが吉星化する法則はもっといろいろな内容があるから、別の機会に詳細な解説をしてあげよう。」

桃井「楽しみにしています。」