2005/02/24 (木)

超入門!最新西洋占星術(その2)−ハーフサム、ミッドポイント−

桃井 「最初にお聞きしますが、ハーフサムというのは、コスモバイオロジーのことなんでしょうか。それとも何か違うんですか?」

岩田 「じゃあ、最初にハーフサムに関する歴史を、簡単に説明しておこう。

 ドイツのウィッテによって始められたウラニアン占星術では、太陽と月、火星と木星のように、2個の天体位置から中間となる点を、ミッドポイントと呼んでいる。

 そしてウィッテの弟子だったエバーティンはウラニアン占星術と決別して、コスモバイオロジーと呼ばれる独自の学派を立ち上げ、ウラニアン占星術がミッドポイントと呼んでいる中間点を、ハーフサムという用語に変更したんだ。

 だから、チャラカさんが使っているのは、ハーフサムという占星技法だとも言えるし、コスモバイオロジーという占星術だと言うことも出来る。」

桃井 「ミッド・ポイントには、アセンダントやラーフのような天体でない天文学的特異点は、使用することが出来ないんですか?」

岩田 「ウラニアン占星術では、伝統的な7惑星にプラスして、天王星・海王星・冥王星の3惑星、アセンダント、MC、春分点、ラーフとケートゥ、さらには8個の架空天体まで、占星術的な感受点として採用している。

 それに対してエバーティンは、ウラニアン占星術からコスモバイオロジーを独立させた時に、8個の架空天体、ケートゥ、春分点を不採用にしたんだ。したがってエバーティンは、10個の天体と3個の天文学的な特異点を、占星術的な感受点として採用している。

 東西占星術研究所では、エバーティンの採用した感受点にプラスして、キロン、小惑星などの天体や、ケートゥ、リリスなどの天文学的特異点も、占星術的感受点として採用しているから、ハーフサムの研究には、それらの感受点も使うことになる。」

桃井 「それから、二つの天体の中間点というのがミッド・ポイントだとすると、二つの天体の狭い側に一つのミッド・ポイントが出来ますよね。

 それから、それから180°反対の広い側にも出来ますけど、それはどちらもミッド・ポイントということになるんですか?」

岩田 「天空360°の中にある2天体には、近距離側と遠距離側という2個の中間点があるけど、中間点という定義からすれば平等だから、どちらもミッド・ポイントになる。

 この180°対向に位置する二つのミッド・ポイントを、直接コンタクト・ポイントと呼び、この二つのミッド・ポイントから、さらに90°に位置する2個の中間点も、間接コンタクト・ポイントとして採用する方式が、90°ダイヤル・チャートになる。

 したがって、この90°ダイヤル・チャートの直接&間接コンタクト・ポイントは合計4個になるけど、さらにこの4個のコンタクト・ポイントから45°に位置する4個の中間点もコンタクト・ポイントとして採用したのが、45°ダイヤル・チャートになるんだ。」

桃井 「そうするとチャラカさんが談話室で使っている、45°ダイヤル・チャートのコンタクト・ポイントは、4個×2ですから、合計8個になりますね。このコンタクト・ポイントはミッド・ポイントと同じと考えていいんですか?」

岩田 「2天体の中間点である直接コンタクト・ポイントの2個と、90°ダイヤル・チャートの4個のコンタクト・ポイントは、ウラニアン占星術でも使うから、ミッド・ポイントと言っていいけど、45°ダイヤル・チャートのコンタクト・ポイント8個が、エバーティンの推奨する方式だから、こちらはハーフサムと呼んだほうがしっくり来るね。」

桃井 「45°ダイヤル・チャートの方式では、一組の天体に8個のハーフサムがあるとしたら、すべての天体の組み合わせが作るコンタクト・ポイントは、膨大な数になりませんか?」

岩田 「桃井君の指摘はなかなか鋭いね。確かにエバーティンの45°ダイヤル・チャートでは、『78組の天体×8個のコンタクト・ポイント=624個のコンタクト・ポイント』が出来る。

 だから、ハーフサムのオーブを広くとると、ハーフサムにコンタクトする天体がいくらでも出て来て、リーディングの収拾がつかなくなるんだ。」

桃井 「ここで言うオーブというのは、一組の天体のハーフサムと別のある天体が一致した、つまりコンジャンクションを形成した、と認める度数のことですね。」

岩田 「そう、45°ダイヤル・チャートでは、ハーフサムの度数に天体がコンタクトしたと認定する度数を、ハーフサムの度数から両側各1°をオーブとする場合が多い。これは、オーブをハーフサムの度数をはさんでの2°幅とすることになる。

 狭いオーブを好む占星術家は、両側0.5°のオーブ、つまりハーフサムの度数をはさんでの1°幅を、オーブとする場合もあるけどね。」

桃井 「それくらいオーブが狭いと、いくらコンタクト・ポイントが多くても、ハーフサムにコンタクトする天体はかなり減りますね。」

(この会話は、次回の談話室に続いていきます。)




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