2005/04/03 (日)

ダライ・ラマ14世来日

桃井 「沙羅先輩に聞いたんですけど、4月はダライ・ラマ14世が来日されるそうですね。」

岩田 「そうだね、普段はかなり厭世的な私の友人も、4月9日両国国技館でやるダライ・ラマの来日講演に行くんだって、珍しく前々から盛り上がってたし、なかなかの精神世界における1大イベントだと思うよ。

 実際、前から買うか買わないか迷っていて、とうとう昨日買ってしまった『ダライ・ラマ−その知られざる真実−(河出書房新社)』を読んでいたら、ダライ・ラマ14世の詳細な出生情報を見つけたんだ。

 その出生情報で、もう一度彼のホロスコープを検討し直してみたんだけど、やはり偉大な聖者と言われる人のホロスコープは、強烈な特徴があるんだなと実感したね。

 その直後に桃井君がこういう話題を持ち出して来るのは、現在の惑星配置が影響しているのか、それともダライ・ラマ14世の来日を前に、日本全国で生じているシンクロニシティ(synchronicity)、つまり共時的現象の一つなのか、どちらか断言は出来ないけど、とても興味深いことだね。」

桃井 「現在の惑星配置の影響というのは?」

岩田 「うん、かなり前からなんだけど、現在トランジットしている木星と水星は、魚座と乙女座で星座交換を形成しているんだ。水星と木星のコンビネーションは、解脱に至るための補助学問としての占星術、つまりインド占星術を意味している。

 だから現在の惑星配置は、インド占星術の研究にはとても良い時期と言える。実際、ここしばらくは東西占星術研究所でも、現世的な有名人のホロスコープを中心に検証して来たけど、徐々に聖者のホロスコープを検証する機会が増えて来ている。

 それに、聖者のホロスコープに関する研究の内容も、以前より深まって来ている感じがする。

 昨日はダライ・ラマ14世の最も信頼できる出生情報が確認出来たけど、実は1週間くらい前にも、ラマナ・マハリシの非常に信頼度の高い出生情報が、同じような状況設定で確認出来ている。

 本当は、この出生情報の記述は数年前にも読んでいたはずなんだ。そういう意味でこういう情報は、たとえ目に触れても、それにふさわしい時が来るまでは、ちゃんと利用出来ないものなんだろうね。

 それと同時に、これまでいま一つよく読み取れなかった、ラマナ・マハリシのホロスコープから、偉大な聖者としての強烈な特徴がはっきりと読み取れることに気付いた。

 これにはラマナ・マハリシのホロスコープが、その秘密を開示してくれたという感覚に近いものがあったから、やはり今の時期というのは、インド占星術にとって特別に祝福された時期なんだと思う。」

桃井 「それじゃあ、インド占星術を学んでいる人や、これから学ぼうとする人は、今の時期を大切にしないといけませんね。」

岩田 「大変興味深いことに、今から1週間後の4月9日14時00分は、ダライ・ラマ14世が両国国技館での講演会が始まる時刻なんだ。

 そしてこの時刻の惑星配置は、木星と水星が星座交換しているだけで無く、五つの惑星がヴァルゴッタマの度数内をトランジットしているという、とりわけ強力な惑星配置を形成する瞬間になっている。」

桃井 「下の図が、2005年4月9日14時00分のホロスコープですね。たしかに、月・金星・土星・ラーフ&ケートゥがヴァルゴッタマの度数域に入ってますから、とても稀でパワフルな惑星配置だと思います。

 もしかして、意図的にこういう特別な惑星配置の時間に、講演開始を決定しているんですか?」

岩田 「ダライ・ラマ14世がもし使うとすればチベット占星術だろうけど、果たしてどうかなぁ・・・・。

 どちらにしろ、それだけのカルマがあるから、こういう稀有な惑星配置の時に講演会を始めることが出来るんだという意味では、どっちでもあまり重要ではないと思うけど。」

桃井 「そうですね、それよりも岩田先生が時々言っているように、ホロスコープが語る天空の言葉に耳を澄ますことが必要なんですね。

 そういう意味でこのホロスコープを見ていると、ヴァルゴッタマのケートゥが木星と乙女座でコンジャンクションして、木星は自分の支配する魚座にアスペクトを返して、魚座に在住するヴァルゴッタマの月・金星・ラーフとコンビネーションを形成しています。

 それに、火星と金星は高揚の星座に在住していますし、とても興味深い特徴がいくつもありますね。」

岩田 「木星&ケートゥのコンビネーションは深遠で霊的な学識を表すけど、その惑星配置が言葉による表現も意味する第2室で形成されているのは、いかにも仏教聖者の講演会にふさわしい惑星配置だね。

 それから、高揚するヴァルゴッタマの金星とヴァルゴッタマのラーフのコンジャンクションが、木星の支配する魚座で形成されているのは、全ての生命に対する限りない慈愛と哀れみを意味しているんだと読むならば、この惑星配置もダライ・ラマの特徴をよく表しているといえるんじゃないかな。」

桃井 「このヴァルゴッタマのラーフ&ケートゥは、木星や水星の支配する星座に在住して吉星として働きやすくなってますし、さらに木星・金星・水星・月という生来的吉星のすべてと、アスペクトやコンジャンクションを形成していますから、大変強く吉星化したラーフ&ケートゥですね。」

岩田 「そうだね、この魚座・乙女座軸の惑星集中に参加している弱い生来的凶星の太陽も、単独でケンドラ&トリコーナ・ハウスの1室を支配する完全な機能的吉星だから、ラーフ&ケートゥの吉星化を助けている。

 この魚座8室と乙女座2室の軸への惑星集中に、ダライ・ラマ自身を表す1室の支配星太陽が参加している惑星配置は、チベット密教の総帥というダライ・ラマ14世の特徴をよく表しているものだと思う。

 それから6室と11室というウパチャヤ・ハウスに在住する火星と土星がアセンダントの在住する獅子座に、8番目と3番目の特別なアスペクトをしているのは、長い苦難を乗り越えての目的の達成を意味していると読むことが出来る。

 アセンダントの在住する獅子座や、その支配星である太陽は王権を意味している。

 だから、ダライ・ラマ14世の置かれた社会的・政治的立場を考えるならば、この惑星配置を持ったホロスコープは、一段と意味深いものであると言える。」

桃井 「王権を表す獅子座に在住するアセンダントをダライ・ラマその人と考えると、このウパチャヤ・ハウスからアスペクトする火星と土星というのは、とても深い意味を持っているリーディングですね。

 でも、こういうホロスコープを見ると、ダライ・ラマ14世の講演会には、とても期待しちゃいます。」

岩田 「そうだね、まだ2階席以上は空きがあるみたいだから、桃井君も行ったらいいんじゃないかな。一度くらいは聖者のダルシャンというのを体験しておくのはインド占星術を学ぶ者にとって、決して無駄にはならない貴重な体験だと思うね。」

桃井 「そうですね、東京で聖者のダルシャンを経験出来る機会って、とても貴重だと思いますから、近くのチケット・びあを使って問い合わせしてみます。」

2005年4月9日14時東京のホロスコープ





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