岩田 「桃井君、この数年お休みしていた談話室を久しぶりに再開しようかなと思っているんだけど、どう。」
桃井 「はいっ、それはもう桃井としてはとってもうれしいです(にこにこ)。でも、どーして再開する気になったかというのは、ちょっと興味がありますね。」
岩田 「まあ、これまで何度が再開始しようかなと思ったことはあるんだけど、なんとなく流れて来た。でも今回数年ぶりにアンタラーダシャーが切り替わったのと、9月10日にトランジットの土星が獅子座から乙女座にイングレスしたのとかが重なってのが理由じゃないかな。
まあ当然と言えば当然なんだけど、アンタラーダシャーの切り替わりや土星のトランジットというのは、数年単位の人間の行動変化に対してはっきりとした影響を与えるものだと、今回自分の体験としてあらためて再確認したという所だね。
桃井君の方は、トランジットの土星が星座移動した影響を感じているかな。」
桃井 「桃井の方はまだこれといった変化は感じられないんですけど、インド占星術関係の仲間内で話すと、どうしてもその話題が出ちゃっています。」
岩田 「私も、土星のトランジットがホロスコープに与える影響の読み方について、最近の個人指導で何度か生徒達から質問を受けて、教えている。
そういえばその中で、ある意味典型的とも言える間違った占星術技法の使い方を修正したことがあって、ある意味とても印象深かったんだけど、今回の談話室はそれについて話をしようか。きっと桃井君の勉強としても、ちょうどいいレベルの内容だと思うから。」
桃井 「はい、よろしくお願いします。」
岩田 「桃井君のレベルなら、今回みたいに土星トランジットが獅子座から乙女座にイングレスしたからと言って、絶対にナヴァームシャ・チャート(9分割図、第9ハーモニクス・チャート)で獅子座から乙女座へ土星トランジットが移動したとか、獅子座が対応するハウスから乙女座が対応するハウスに土星が移動したとかと、そのトランジット土星の変化を読んではいけないってことは知っていると思うけど。」
桃井 「はい、ラーシ・チャート惑星配置は実際の天体配置を表すホロスコープですけど、ナヴァームシャ・チャートの惑星配置は実際の天体配置と関係がなくなっているので、実際の天体配置であるトランジットの星座移動をそのまま使ったらダメというのは知っているので、注意はしています。」
岩田 「そうだね。
まあ、コンピューターのインド占星術ソフトを使わずに、自分の手作業でラーシ・チャートの惑星配置からナヴァームシャ・チャートを作製したことがある人なら、そういう間違いは犯さないんだろうけど、インド占星術の本で分割図の作り方を書いてある本はあまり無いし、それ以前にホロスコープの作り方から書いてあるようなインド占星術の本自体がほとんど無い現状では、このトランジットをそのまま分割図に適用してしまうという失敗はとても犯しやすい間違いと言える。」
桃井 「インド占星術で使うトランジットの技法というと、『トランジットの木星とトランジットの土星の両方が在住やアスペクトを形成するハウスのテーマは、その時期に現象化しやすい。』というものが1番有名な技法ですけど、この技法は分割図では使用出来ないということなんでしょうか?」
岩田 「その技法は、ラオ氏の系統では『ダブル・トランジット』と呼んでいる技法で、確かにインド占星術の入門者が、最初にトランジットの技法を使い始めるには大変適した、理解するに簡単でしかも実占性もけっこう高いトランジット技法だと言える。
そして、この『ダブル・トランジット』と呼ばれる技法は、実は分割図でも使用可能なんだけど、トランジットの木星と土星が分割図ではどの星座に在住しているのかを正確に決定する必要がある。
ところが、それをするためにはラーシ・チャートの惑星配置からナヴァームシャ・チャートを作製することが出来なければいけないんだけど、先ほど述べたようにそれを出来る人はあまりいない。」
桃井 「とすると、やっぱりラーシ・チャートの惑星配置からナヴァームシャ・チャートを作製出来るようになっていない限りは、使うことは出来ないということでしょうか。」
岩田 「まあ、分割図のあるハウスについて特定の時期に『ダブル・トランジット』が成立しているかどうかだけなら、その時期のホロスコープをインド占星術ソフトで作製して、そのホロスコープの分割図で木星と土星がどの星座に在住しているのかを確認すれば、その分割図で『ダブル・トランジット』の成立しているハウスがどれかくらいは確認することが出来る。」
桃井 「なるほどぉ、そういう裏技があるんですね〜。
桃井も、機会があったらナヴァームシャ・チャートでの『ダブル・トランジット』という技法も、これから使ってみようかなって思ってみます。」
岩田 「ただ、『ダブル・トランジット』というのは、ダシャーが許可した出来事がそのダシャーの期間内のどの辺で起きるのかという、時期の絞り込みに使うのが実占的な場面での主な使い方になるという、どちらかと言えば従属的な技法になる。
そういった意味では、『ダブル・トランジット』の成立を確認するのにいちいちホロスコープを作製するというのは、結構煩わしい作業になる。
だから実占の場面では、ナヴァームシャ・チャートでの木星や土星のトランジットの場合、ヴァルゴッタマの度数域を上手く使って、ナヴァームシャ・チャートで『ダブル・トランジット』の成立しているハウスを確認することになるね。
まあ、このヴァルゴッタマとの関連については、『インド占星術−初級講座(第3版)−』の内容とも絡んでいるから、11月8日に実施する公開スクーリングで、話の続きをやることにしよう。」
桃井 「はい。
この数年は、公開講座もスクーリングもお休みでしたけど、談話室の復活と共にスクーリングも復活ですね。桃井もたのしみにしています。」