HOME / 簡易レファレンス / アスペクト
ライン

簡易レファレンス

ライン

アスペクト

 西洋占星術におけるアスペクトに対応するものを、インド占星術においては、ドリシュティ(Drishti)と呼んでいます。以下、アスペクトと呼ぶことにします。

●対向のハウスにある惑星にアスペクト

アスペクト  一般にどの惑星も、その惑星の反対側のハウス(そのハウスから数えて第7番目のハウス)に在住する惑星と相互にアスペクトを形成します。

●特別なアスペクト:一方通行のアスペクト

 火星、木星、土星の場合、対向のハウス以外の惑星に対してもアスペクトを形成します。ただし、この場合は一方通行のアスペクトであって相互のアスペクトではありません。

火星のアスペクト

火星のアスペクト  火星は対向のハウスに在住する惑星以外に、火星が在住するハウスから数えて4番目のハウスと8番目のハウスに在住する惑星に対してアスペクトを形成します。

木星のアスペクト

木星のアスペクト  木星の場合、対向のハウスに在住する惑星以外に、木星が在住するハウスから5番目9番目のハウスに在住する惑星に対してアスペクトを形成します。

土星のアスペクト

土星のアスペクト  土星の場合、対向のハウスに在住する惑星の他に、3番目10番目のハウスに在住する惑星に対してアスペクトを形成します。

●コンジャンクション

コンジャンクション  また、インド占星術では、正確な言葉の使い方をするなら、同じハウスに在住する惑星とは、「アスペクトを形成する」とは言いません。
  コンジャンクト(Conjunct)する、あるいはコンジャンクション(Conjunction)を形成すると言います。

インド占星術のアスペクトは「星座=ハウス」単位

ホロスコープ

 例えば、土星と木星のアスペクトを見る場合、木星の在住するハウスが土星の在住するハウスから7番目(対向のハウス)にあれば、その2つの惑星間の正確な度数が何度であろうと、相互にアスペクトを形成しているとみます(A)。同様に、コンジャンクトする惑星同士の間でも、度数による違いではなく、同じハウスに在住するか否かで判断されます(B)
 同じハウスに在住する惑星は、たとえ25度も離れていても、あるいは1度しか離れていなくても、その違いはコンジャンクションのタイトさを表わすとされてはいるものの、コンジャンクションの形成には直接関わってきません。
 したがってオーブの影響と言われるものは、インド占星術には一般に存在しないとされています。インド占星術においては、この考え方が主流ですが、占星家の中には、惑星間の度数による影響を無視できないとする人たちもいます。例えばコンジャンクトする惑星同士が形成する度数幅が狭ければ狭いほど、たとえその影響を西洋占星術ほど強調することはないにしても、コンジャンクションの度合いが強いとする見方もやはり存在します。たしかにコンジャンクションにしても、アスペクトにしてもオーブが狭いほど強力に作用することは明らかです。特に1度以内のオーブのコンジャクションやアスペクトには要注意でしょう。しかし、繰り返しますが、インド占星術では、いくら度数幅が狭いといっても、隣同士のハウスに在住する惑星を指してコンジャンクトしていると言うことはありません(C)。 つまり、例えば魚座29度の土星と牡羊座0度の金星は、西洋占星術ではかなりタイトなコンジャンクションを形成していると言えますが、インド占星術ではコンジャンクションを形成しているとはそもそも言えません。あくまでもアスペクトやコンジャンクションはハウス単位で形成されます。

●ハウスに対するアスペクト

 西洋占星術とのもうひとつ大きな違いは、惑星は他の惑星だけでなく、ハウスともアスペクトを組むことです。
このとき、ハウスに惑星が在住しているか否かは問われません。この原則は、アセンダントとアスペクトを組む第7室においては特に重視されます。アセンダントはホロスコープ全体においてもっとも重要であるが、7室に在住する惑星は、アセンダントが表わす健康や容姿、生活全般にわたって影響を及ぼすことになります。例えば、7室に吉星があれば、1室に全く惑星が在住していなくても、その人の外見、容姿、全般的な運に良い影響を与えますが、凶星があれば悪影響を及ぼすとされています。

中森明菜さんのホロスコープ
中森明菜さんのホロスコープ

アスペクトによる惑星の相互作用

 アスペクトとコンジャンクションの働きは、ほぼ同じです。

 吉星の場合、アスペクトあるいはコンジャンクトする相手を強め、惑星がもつ吉の傾向をその惑星に投影しますが、凶星の場合、逆に相手の惑星を弱め、凶意を投影します

 例えば、凶星である土星とアスペクトあるいはコンジャンクトする惑星は、惑星自体の影響力が弱まる他に、土星がもつ自制的あるいは禁欲的な傾向を帯びることになります。
 吉星である木星とアスペクトあるいはコンジャンクトを形成する惑星は、影響力が強まると同時に、木星がもつ慈愛や精神的あるいは宗教的な要素を併せ持つことになります。

 互いにアスペクトを組む惑星、つまり正反対に位置する惑星同士は、吉星同士であればお互いに良い影響を及ぼしあい、凶星同士であれば悪い影響を及ぼしあいますが、片方が吉星でもう片方が凶星の場合、一方は良い影響を受けますが他方は悪い影響を受けることになります

 例えば、凶星である土星と吉星である金星がお互いにアスペクトを形成したり、コンジャンクトすると、土星の凶意は金星の吉意により薄らぎ、土星が在住するハウスや支配するハウスも金星の良い影響を受けたりします。しかし、逆に金星自身や金星が在住するハウスや支配するハウスは、土星の凶意によって悪影響を受けることになります。

  つまり、インド占星術においては、アスペクトの種類は関係無く、どの惑星とどの惑星がアスペクトを形成するかで、アスペクトの影響をみることになります

ハウスの支配星としてのアスペクト

 アスペクトを見るとき、特定のハウスの支配星としての意味合いも重要になります。支配するハウスの意味合いも、アスペクトあるいはコンジャンクトを形成することによって他の惑星に伝播します。

チャート  例えば、第9室の支配星とアスペクトあるいはコンジャンクトを形成する惑星は、第9室の強い肯定的なエネルギーと精神的な良いヴァイブレーションの影響を受けます(D)
  第8室や第12室の支配星とアスペクトあるいはコンジャンクトを形成する惑星は、第8室や第12室が意味する破壊や損失あるいは困難の影響を受けることになります(E)



アスペクトがどのハウスに集中するか

 アスペクトの強さを見る簡単な方法は、多くの惑星が在住するハウスに着目することです。

チャート  例えば、第9室に4つの惑星が在住する場合、第9室の正反対に位置する第3室はその強い影響を受け、その人の人生のテーマとして第3室が象徴する兄弟姉妹や芸術などの意味合いが強くなります。もちろん、それらの意味合いの吉凶は、アスペクトをつくる惑星の内容によって決定されます。いずれにしても、そのハウスのテーマは強調されることになります。

惑星の品位とアスペクト

 惑星が、支配するハウスムーラトリコーナ高揚あるいは減衰の星座とアスペクトを組むとき、結果は少し違ってくるので注意が必要です。

チャート  例えば、火星が第2室とアスペクトを形成し、その第2室が蠍座(火星の支配室)の場合、そのアスペクトにより、第2室は財運に関して良い影響を受けることになります。

チャート  しかし人間関係を見るときには注意が必要です。
 火星が蠍座の7室とアスペクトを形成するときには、たとえそれが、自らの支配するハウスであっても、火星のもともとの凶星としての性質により悪影響を受けます。さらに、12室・牡羊座の支配星としての性質(障害・離別)により、このアスペクトの影響でその人の異性関係や結婚生活、対人問題に悪影響を生じやすくなります。

 また、一般に最高星位のハウスとアスペクトを形成するときは、良い結果を期待できますが、最低星位のハウスとアスペクトを組むときは悪い影響を受けるとされています。


メニュー
アイコン HOME
アイコン ご案内
アイコン お知らせ
アイコン 談話室
アイコン 東西占星術ノート
インド占星術アイコン 簡易レファレンス
アイコン 検証 占星術
アイコン 研究日誌
西洋占星術 アイコン 検証 占星術
特別寄稿アイコン インド思想
アイコン 運命学
アイコン 開運術
鑑定案内 アイコン 鑑定案内
講座案内 アイコン インド占星術通信講座
アイコン インド占星術公開講座
アイコン インド占星術個人指導
アイコン インド占星術テキスト
アイコン 受講生の広場
etc. アイコン リンク
アイコン おすすめ書籍
アイコン 誕生日データベース
アイコン サイデリアル・エフェメリス
アイコン サイデリアル星座移動表
アイコン 緯度経度検索サービス
アイコン ホロスコープ・プレゼント