研究日誌チャック・ベリー
羽田「チャック・ベリーって知ってる。」 茶羅加「チャック・ベリー?えっと、ギターリストでしたっけ?」 羽田「1955年とか56年頃からTVとかに出始めて活躍した人で、ギターもやるけど、ピアノやサックスも演奏できて、まあ一言で言えばロックンロールの教祖みたいな人だね。 茶羅加「...........(まだ、若いでしょうに...)」 羽田「で、この前この人のチャートを見ていて、すごく面白いことに気づいたよ。こんどの「検証 占星術」の題材にしようかと思ってるんだけど。
羽田「じゃ、彼の出生図を見てみようか。ほら、いつものようにこれがはっきりと出ているんだよね。彼のアセンダントは、天秤座で、その支配星は金星、でこの金星が12室の乙女座の22度58分59秒にあるんだよ。金星の減衰の度数は乙女座の27度だから、彼の金星はその手前ちょうど4度の位置だから、もっとも悪いと言えるんだよ。」 茶羅加「12室っていったら、逮捕とか監禁のハウスでしょ?」 羽田「そうだよ。その位置で本人を表すアセンダントの支配星が、減衰の星座に入っているんだから、この金星が彼が何度も逮捕されて投獄されたことを表しているといえるだろう。ちなみに、彼が投獄されてた期間のヴィムショタリ・ダシャーを見てみると、これがなんと面白いように、金星のダシャーなんだよ。あっ、ちょっとまって、ヨーギニー・ダシャーでも金星の時期になっているね。
彼が最初に、車を盗んで刑務所に入っていたのが、18歳から21歳の時らしいんだけど、ヴィムショタリ・ダシャーで、彼の土星−金星の時期(a)が1944年9月6日あたりから始まっているから、これはちょうど18歳の誕生日の1ヶ月ちょっと前からだね。そして金星のアンタラ・ダシャーが終わって太陽のアンタラ・ダシャーに移行するのが、ちょうどその3年後の1947年の12月7日なんだよ。ということは18歳から21歳までの時期というのは非常にぴったりくるじゃない。」 茶羅加「きてますね(笑)。この人のはっきりとした経歴は分からないんですか?」 羽田「伝記とか自伝とか出版されているんだけど、在庫がなくてまだ手に入ってないんだ。まあ、とりあえず今回はここにある略歴で軽く流してみよう。で、この時期のヨーギニー・ダシャーはというと、金星のマハー・ダシャー(b)が1940年の7月25日から、1947年の7月26日まで続いている。これも彼が刑務所に入っていた期間をカバーしているよね。」 茶羅加「ちょっといいですか?ヴィムショタリ・ダシャーのマハー・ダシャーは土星ですよね。2室に在住していて、特に悪いとは思えないんですけど。」 羽田「いや、この土星は悪いどころかぜんぜん良いよ。天秤座のアセンダントにとって、土星はラージャ・ヨーガ・カラカなんだよ。そのラージャ・ヨーガ・カラカの土星が2室に入っている。この土星のマハー・ダシャー自体は、大きな流れでいったら良い働きをしているはずだ。ただ、土星のマハー・ダシャーは19年も続くので、その期間ずっと良いということはないよね。むしろより細かな運勢の傾向をきめるのはマハーダシャーよりも、2番目のアンタラ・ダシャーなんだよ。もっと現象を絞り込んでみるときは3番目のプラティアンタラ・ダシャーまでみるけどね。でも、今回の目的としてはこれで十分だろう。」 茶羅加「今回は特に略歴ですからね。」 羽田「そういうこと。そういえばさっき土星のマハー・ダシャーはいいと言ったけど、彼がテレビに出始めて、ヒットを飛ばしたのもこの土星のマハー・ダシャーの期間なんだよ。で、このときの木星のアンタラ・ダシャー(c)が、54年の5月5日から始まって、56年の11月15日まで続いているんだ。この出生図の木星を見てみると、木星は3室と6室の支配星で4室の山羊座に入っている。」 茶羅加「えっ、山羊座っていったら木星にとっては減衰の星座じゃないですか?」 羽田「そうなんだよ。(笑)」 茶羅加「しかも、3室の支配星っていったらインド占星術では音楽とか芸術的なことを表すんですよね?」 羽田「そうなんだよ。(笑)だから、ロックみたいな騒々しい音楽を作っちゃって有名になったんじゃないの。」 茶羅加「え゛っ、そんな説明でいいんですか(--; だって略歴をみるとこの時期に有名になって大ヒットしたとありますよ?ちょうど、『Go, Johnny, Go』や『Rock, Rock, Rock』のヒットが出たと書いてますし。」 羽田「そうなんだよ(笑) 実はそこには秘儀があるんだ。 茶羅加「お願いします。」 イチロー
羽田「たとえば、イチローの3室山羊座に木星が入っている。これは、チャック・ベリーのところでも言ったように木星にとって山羊座は減衰の星座なんだよね。しかも3室といえば、インド占星術では芸術だけじゃなくて、まさにスポーツを表すハウスじゃないか。スポーツを表すハウスとしては6室もそうで、蠍座アセンダントの支配星である『火星』が牡羊座、つまりムーラトリコーナで6室に入っている。それによって、彼のスポーツ選手としての優秀性を表していることも間違いないだろう。でもこの3室の減衰の木星もラージャ・ヨーガ的に働いているのもまた真実だろう。
茶羅加「この時期っていったら、もっとも注目を集めていた時期じゃないでしょうかね。」 羽田「そうなんだよ。だから、10室の支配星で、12室の減衰に入っている太陽がラージャ・ヨーガ的に働いたとしか言いようがないんだよ。」 茶羅加「ん?さっきは3室と6室って言ってましたけど。12室もそうなんですか?」 羽田「実はそうなんだ。8室と12室についても、やはり同じような法則が働いているみたいなんだよ。これはたしか、Dr.Charak の本にも書いてあったと思うけど、この例にもわかる通りやはり作用しているということだね。 ふたたびチャック・ベリー
茶羅加「次は60年代前半に逮捕されているみたいですね。」 羽田「この時のヴィムショタリ・ダシャーは、マハー・ダシャーが水星、アンタラ・ダシャーが金星(e)と。水星は12室の支配星で1室の天秤座に入っている。金星は前から言っているように、1室の支配星で12室に入っている。」 茶羅加「つまり、星座交換(ミューチャル・レセプション)ということですよね。」 羽田「そうなんだよ。『自分』を表す1室の支配星と『投獄』や『監禁』を表す12室の支配星が星座交換を起こしているということは、この人よっぽど投獄されるカルマが強いんだね。 茶羅加「お約束ですね(苦笑)」 羽田「で、ヨーギニー・ダシャーのほうでも、投獄されている時期にアンタラ・ダシャーの金星期間(f)がまるまる含まれているんだよ。」 茶羅加「そうですね。あっ、でもこの金星は12室で減衰の星座に入ってますよ。」 羽田「そうだね。金星はもともと音楽とか芸術をあらわすから、たしかにそういう才能を同時に表しているんだろう。」 茶羅加「なるほど。」 羽田「でも減衰なんだから良いだけではすまないよ。良い意味と悪い意味もどちらの意味も発現すると考えたほうがいいだろうね。」
茶羅加「じゃあ次の逮捕された時期ですが、79年に脱税の関係で4ヶ月入ったらしいですね。」 羽田「この時はヴィムショタリ・ダシャーのほうでは出てないけど、ヨーギニー・ダシャーでは、こんどまた2順目のマハー・ダシャーがきているんだよ。」 茶羅加「ヨーギニー・ダシャーって何年周期でしたっけ?」 羽田「36年周期だよ。だから通常は人生の中で2回ぐらい同じマハー・ダシャーが回ってくるね。で、そのちょうど2回目のマハー・ダシャー(g)は1976年の7月25日から1983年の7月25日まで、続いている。 茶羅加「1990年に逮捕されたときも、ヨーギニー・ダシャーのアンタラ・ダシャー(i)はずっと金星。やっぱりインド占星術ははっきりカルマを写し出しますね。」 羽田「そういうことだね。」
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