研究日誌有名人検証 シュティフィ・グラフ[1]●ラーフが吉星化する条件桃井「岩田先生、マルチナ・ヒンギスが引退しますね。」 岩田「うん。ここでヒンギス引退をチャートで検討したいところだけど、彼女の出生時間が不明だからね。でも東西占星術研究所は、新鮮な話題や時事ネタを追わないで、自分の好みでやっていくのが伝統だから(?)、今回はシュテフィ・グラフのチャートを解説しようと思うんだ。」 桃井「先生の好みは、シュテフィ・グラフなんですか?」 岩田「テニスには昔からあまり興味がなかったけど、たまたま見たグラフのフォア・ショットの写真に中国内家拳の寸勁動作と共通する身体操作が読み取れてから、興味を持つようになったんだ。 桃井「それでは、よろしくお願いします。」 岩田「インド占星術でラーフ&ケートゥは、生来的凶星に分類されるけど、ラーフ&ケートゥは実体のない惑星なので、在住する星座や他の惑星のアスペクトにより、その吉凶が大きく変わるというのは知っているね。」 桃井「ラーフ&ケートゥは、木星と水星の支配する星座で吉星化しやすく、吉星のコンジャンクションやアスペクトによっても吉星化しやすい。 岩田「あとは、ケンドラ・ハウスやトリコーナ・ハウスに在住するのも吉星化の条件だね。 桃井「魚座には生来的凶星のアスペクトも無いし、グラフのラーフはきれいに吉星化していますね。」 岩田「生来的凶星のアスペクトは、ラーフ&ケートゥの凶星化に大きく影響するから、その点も吉凶を判断するための重要なチェック項目だね。」 桃井「グラフの10室には自分の支配星である木星がアスペクトしていますし、10室のサルヴァアシタカヴァルガも36ポイントと、12ハウス中の最高数値を示していますね。ラーフのディスポジターである木星のシャドバラは0.89ですけど、ビンドゥは7ポイントと高いですね。」 岩田「グラフのラーフは強く吉星化しているので、ラーフのマハーダシャーは非常にいい時期ということになるね。 桃井「ラーフのマハーダシャーが終わった直後の1996年の8月には、左膝の故障でグラフはアトランタ・オリンピックを欠場していますね。」 岩田「1996年シーズン最後のマスターズ決勝でもグラフはヒンギスを破って優勝したけど、マルチナ・ヒンギスは最後までグラフと互角に戦っている。 桃井「1997年2月のパシフィック・オープンのヒンギスとの決勝を左膝靭帯の損傷で棄権してから、グラフは手術とその後のリハビリテーションに入って、復帰も危ぶまれてましたね。 岩田「ラーフ期の終わりの前後に、ラーフ期に獲得したものを失うというのは、実際の鑑定でよく出会うケースだね。でも、ラーフ期の終わりに失うものは、ラーフ期に無理をして維持し続けて来たものが多いんだ。グラフの場合も長年蓄積してきた身体の故障があり、左膝の故障は最後の一撃だったと思うよ。」 桃井「グラフは1年のリハビリ後にコートに復帰し、1999年のフレンチ・オープン決勝で、ヒンギスを破って優勝していますね。これについては、どう思われますか?」 岩田「この時期は、減衰の土星のアンタラダシャーだから、普通なら良くない時期だよね。でも、この土星はなかなか面白い土星なんだ。でも、この土星の説明をするとかなり長くなるからここで一区切り入れて、次回はこの土星とラーフ期に起きた二つの事件について解説しよう。」 桃井「楽しみにしています。」
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