受講生の広場受講生の卒業発表ご挨拶 2003年1月から開講したインド占星術通信講座も、受講期間の6ヶ月を過ぎて、いよいよ卒業生が誕生するようになりました。 受講生の中でもカリスさんは、メールによるQ&Aを積極的に活用し、その質問の内容もバーチャル・スクールの掲示板や談話室にも紹介されているように、インド占星術の本気で理解しようとする熱意にあふれたものでした。それだけに、カリスさんの卒業課題であったシュワルツネッガーのリーディングは、以下に紹介するように受講生の見本となるものでした。 通信講座終了後も、カリスさんが東西占星術研究所が提供する各種コースでスキル・アップを続けるなら、占星カウンセリングの出来るインド占星術家に成長するであろうと思っています。 それではカリスさんの卒業認定リーディングを発表しますので、出来るだけカリスさんに感想のメッセージを送ってあげてください。 Iwata Kazuo 「有名人サンプルリーディング - アーノルド・シュワルツネッガー」カリス研究生 最初に各惑星の強さを見てみます。 水星はラーシでは、1.4支配で定座で1室に在住し、5室の木星からアスペクトを受けており非常に強い吉星です。ナヴァムシャでは2・5室を支配して同じく1室に在住し、十分な強さを持っています。 ラーシではこの水星はバドラ・ヨーガを形成し(月から見ても同じ)、ナヴァムシャでは 単独でラージャ・ヨーガ兼ダーナ・ヨーガを形成しており、ともに1室に在住することで、彼の人生全般 において、非常に大きな影響力をもっているといえます。 次に金星は、ラーシでは5・12室支配で2室に在住し、生来的にも機能的にも吉星で、しかもヴァルゴッタマになっていることで、非常に強い吉星となっています。 火星はラーシでは6・11支配で12室に在住し、生来的にも機能的にも凶星ですが、他の惑星がからまないことで綺麗なヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガを形成していますので、関連するダシャーにおいてはラージャヨーガ的に働くものと思われます。 またナヴァムシャでは7・12 室を支配して機能的中立ですが、5室に在住することで若干吉星化するものの、マーラカとして機能的凶星の面をもちます。この火星はシャドバラも1.7と高く、星の影響は大きいと思われます。 土星はラーシでは8・9室を支配する機能的な中立ですが、2室で5室の支配星とコンジャクトすることで吉意を増し、ナヴァムシャでもラージャヨーガ・カーラカとなっています。 木星はラーシでは7・10室を支配する機能的凶星ですが、5室に在住することでラージャヨーガを形成しています。ナヴァムシャでは8・11室を支配する機能的凶星で、1室で非常に強力な水星とコンジャクトしていますが、木星にとって水星は敵対惑星なので吉星としての十分な力は発揮されにくい状態です。 月は2室支配でケンドラの7室に在住し、ナヴァムシャでは3室の定座に在住し、力を発揮します。 太陽は3室を支配して2室に在住し、若干凶星化していますが、5・9室の支配星とコンジャクトすることで肯定的なエネルギーを持つとともに、8・12室のドシュタナの否定的なエネルギーも併せ持つことになります。 ラーフ、ケートゥは高揚の位置にあり、強い力を発揮します。 以上から、全体的に惑星の力が非常に強いことがわかります。 次にハウスごとに彼の人生における主要なテーマを見てみます。 まず、彼の人生全般においては、強い水星が1室でバドラ・ヨーガを形成していることからバドラ・ヨーガの意味である、 1)非常に豊かで快適さを享受する などがあてはまるのではないかと思われます。 次に、ボディビルダーとしての成功を見てみます。強靭な身体を作る為には厳しいトレーニングを続けなければなりませんが、精神力や努力を表す3室の支配星は5・9室の支配星とコンジャクトしており、非常に優れていることがわかります。また、3室には火星がアスペクトし、強い意志を表しています。試練の6室も高揚するケートゥが在住し、かつ火星が自室へアスペクトして6室を強め勝負強さを示しています。 筋肉を表す火星はヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガを形成しており、彼がボディビルダーとして活躍したダシャーとからんでいます。火星は高揚するラーフとコンジャクトしており、筋肉を鍛えることには飽くなき欲望があったのかもしれません。 また、3・6室と火星の強さから、スポーツ選手としての適性も伺えますが、火星とラーフのディスポジターが、両方ヴァルゴッタマの芸術を表す金星で、2室に在住することから、スポーツというよりは、あくまでも筋肉美、芸術としての自己表現なのではないかと思います。 また、金星が火星から見て3室 に在住することも、3室の意味である芸術の意味を強めていますが、3室の芸術は5室の先天的な 才能としての芸術というよりは、努力による鍛錬の成果としての芸術を意味しますので、ボディビル ダーのような鍛え上げられた肉体美は、まさしくあてはまるのではないかと思います。 それが社会的 に評価されるかということは地位や名誉を表す10室でみますが、10室の支配星は、功徳の5室 に在住し、彼の名声を物語っています。 次にオーストリアからアメリカへの移住は、家庭の2室が表しています。2室は海外を示す9室、12室の支配星が在住し、移動を表す3室の支配星で国家を表す太陽がコンジャクトしています。 また、2室の支配星は独立や海外を示す7室に在住しています。 大学教育は5室と9室をみますが、5室には精神的な意味合いの強い木星が在住し、9室にアスペクトしていますので心理学を専攻したことは読み取れます。また、5室の支配星と9室の支配星が2室(経済)に在住し、太陽(政府関係・経営)とコンジャクトすることから経営学の専攻を示しています。 映画俳優としての成功は、10室職業の支配星が幸運と芸術の5室に在住することから読み取れますが、ボディビルダーとしての成功とは違い、こちらは「先天的な感性としての芸術」といえると思います。10室の支配星が在住する5室の支配星であるヴァルゴッタマの金星は、同時に12室を支配して、財産や自己表現の2室でダーナ・ヨーガを形成しています。12室は実像である1室を失うハウスとして、虚像の世界といえますので、そこにヴィーパリータ・ラージャ・ヨーガを形成する火星が在住することで、まさに筋肉美を生かした映画スターということがいえるのではないかと思います。 7室の支配星は5室に在住して、弱いラージャ・ヨーガを形成していますので、結婚やビジネスパートナーに関するカルマも幸運であることがわかります。子供を表す5室には木星が在住しています。子供の生来的表示体が、子供を表示するハウスに在住することは、子供自身にとっては良くない要素といえますが、5室の支配星は、2室で幸運の9室の支配星とコンジャクトしていますし、他の分轄図においても特別悪い要素はなく、子供に関しての幸運も暗示しています。 2室ではダーナ・ヨーガを形成して彼の財産における幸運を物語っていますが、同時に8・12室の支配星によってアリシュタ・ヨーガも形成しています。これにより、2室の象意である、家族、言語また、在住する太陽の表示である国家、父、心臓などにおいては不運な結果をもたらすことになりました。また、非常に凶暴化した火星も11室の支配星として彼の兄に不運をもたらすことになりました。 9室をラグナとして父親を見てみますと、ラグナの支配星が病気の6室でアリシュタ・ヨーガを形成し、マーラカの太陽(心臓)とコンジャクトしています。また、11室をラグナとして兄を見てみますと、ラグナの支配星の火星は不運の8室を支配してマーラカの2室でディスポジターを4室の金星にもつラーフとコンジャクトし、6室の支配星が交通の3室で乗り物の4室の支配星と12室の支配星からアスペクトをうけています。 父と兄の亡くなったダシャーは太陽期ですが、この太陽を1室としてみた場合の9室を、父のラグナとしてみますと、病気を表す6室の支配星の太陽(心臓)が、3・8室支配の凶星化した金星ならびに11・12室を支配して生来的にも機能的にも凶星の土星とコンジャクトしています。 また、同様に太陽からみた11室を兄のラグナとしてみますと、1・6室の支配星と4室の支配星、8室の支配星が交通の3室でコンジャクトし、アリシュタ・ヨーガを形成して兄の交通事故を暗示しています。 |
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