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談 話 室

2010/11/19 (金)

ミニ講義 −クリエイターの作品量を決定するもの(bQ)−

岩田 「では桃井君、前回の続きに入ろうか。」

桃井 「はい、では考えて来た回答を発表させてもらいます。

カポーティの第5室は牡牛座で在住惑星はありませんが、木星が7番目のアスペクトで火星が4番目の特別アスペクトと、2つのアスペクトがあります。

そして、第5室の支配星は7室蟹座に在住して、ラーフと1度以内でコンジャンクションして、火星が7番目のアスペクト、それに土星が10番目のアスペクトと3大凶星とコンビネーションを組んでいます。

でも、金星には木星が9番目の特別アスペクトをしていますから、第5室と第5室の支配星の両方に木星の影響があるのは、グッドですよね。

以前、東西占星術通信bSの記事で、私が『文学を担当する惑星っていうと、水星や金星じゃないんでしょうか?』と聞いた時、岩田先生が『それはそうだけど、文学を担当する惑星としては木星の方がより重要だろうね。』みたいな解説をしてくれたとおもうんです。

そうすると、5室を支配する金星に木星のコンビネーションって文学的才能にはとてもよい惑星配置なんじゃないでしょうか。」

岩田 「言葉を表す水星や芸術を表す金星が、文学という特定のジャンルの才能に確定されるには木星の参加が必要だから、桃井君の言う通りだね。」

桃井 「そうすると、カポーティの芸術的才能を表す第5室が芸術を表す金星で、その第5室と金星の両方に木星のアスペクトって、これはもう文学の才能っ! てことになります。

で、ですよ。

その第5室の支配星の金星は、なんとラーフのコンジャンクション&火星7番目アスペクト&土星10番目アスペクトと、3大凶星の集中攻撃を受けていますから、その文学的才能の発揮が強く傷付けられてしまっているので、作品の数が少ない。

というので、どうでしょうか?」

岩田 「おやおや、意表を突くリーディングだけど、それなりに説得力がある。その方向でリーディングを進めていっても面白い結果が出て来るのは間違い無いけど、ここは東西占星術通信の記事では無いから、ここでは素直に、最初にこちらで用意しておいた分かりやすい回答の解説に入ろう。

それに桃井君のやったカポーティの文学的才能に関するリーディングは、これから話す回答の的確な前提条件になっているしね。」

桃井 「はい、お願いします。」

岩田 「桃井君のリーディングした通り、カポーティの文学的才能は明かだけど、第5室には在住する惑星が無い。

これは、カポーティは文学的才能には恵まれているけど、そのテーマは人生においてお蔵入りになりやすいことを意味している。

それに対してカポーティの第10室は自分自身を表す第1室の支配星である土星が高揚し、心を表す月とコンジャンクションしている。

これは、カポーティは第10室の意味する高い専門性の達成による社会的地位の達成というテーマに対しては、人生の中で常に意識させられることになることを意味している。

この第5室と第10室のギャップは、カポーティみたいに19歳でニューヨーカーに作品が掲載され、それがO.ヘンリー賞を受賞したりして、社会的な寵児としての地位を獲得すると、第5室の創作活動がお蔵入りになってしまう危険性を示している。

だから、受賞作の次の作品が5年後になり、後に映画化された『ティファニーで朝食を』の後には次の作品が8年後になってしまうような創作活動になってしまうんだね。」

桃井 「な〜るほどぉ・・・。

カポーティみたいなホロスコープの持ち主は、社会的地位が確立するような傑作を書いちゃうと、その後しばらくその社会的地位を楽しむのに忙しくって作品を書かないんですね〜。」

岩田 「まあ、カポーティの生き方を見ていると、桃井君の言う通りなんだと思うね。

実際、カポーティの年表を見ていると、前作の影響が薄れていき社会から忘れ去られそうになる頃になると、次の作品を発表するみたいな感じになっているし。」

桃井 「これってシンプルですけど、深く納得しやすいリーディングですよね。」

岩田 「まあそうだね。

でも、桃井君や古い受講生はこれまでの東西占星術通信の蓄積があるから、そういう感想が出てくるわけだけど、ここはHPだからもう少しリーディングのダメ押しをしておこうか。」

桃井 「ダメ押しですか?」

岩田 「個人指導の時にカポーティと一緒に持ちこまれたクリエイターのホロスコープについて次の談話室で取り上げようと思うんだ。

この有名なクリエイターは、カポーティの対極とも言える、長い創作活動の中で常に大量の作品を作り続けた人生になっている。

それとカポーティの対比をすると、桃井君の『シンプルですけど、深く納得しやすいリーディングですよね。』という感想も、HPの読者に納得しやすいものになるんじゃないかな。」

桃井 「それは楽しみですね。」

2010/11/18 (木)

ミニ講義 −クリエイターの作品量を決定するもの(bP)−

岩田 「桃井君、今回もひさしぶりの談話室になるね。」

桃井 「はい、前回の談話室が去年の9月でしたから、年に1度のペースですね(微笑)。」

岩田 「前回は、ダシャーが変わってひさしぶりにやる動きが出たけど、ダシャーの変化が個人指導も増やす変化だったから、結果的にそちらの方が優先されてね(苦笑)。

まあ今回も実はダシャーの変化によって談話室をやるんだけど、個人指導をやっていて気付いたことを談話室という媒体を使ってシェアしてみようと思ってね。」

桃井 「そうですか、それは楽しみです。」

岩田 「今回の内容は談話室の表題にもなっているけど、『クリエイターの作品量を決定する』のはホロスコープ上の惑星配置としてはどこになるのか? ということなんだ。

物語作家や画家などのクリエイターには、多くの作品を残す人とあまり作品を残さない人がいる。これは、その人のデビューする時期や死亡する時期が原因のとなっている場合もあるけど、それとは無関係の場合も多い。

ここでは、デビューする時期や死亡する時期とは関係ない所で、その人の作品数が多くなるか少なくなるかを決定するホロスコープ上の特徴とは何かという問いになる。」

桃井 「なるほど、そういう趣旨ですね。

クリエイターの特徴を見るハウスというと、芸術性や創造性のハウスである第5室ということになりますけど、その第5室にどういう特徴があると作品が多くなり、どういう特徴では作品が少なくなるかというと、ちょっとこまっちゃいますねぇ・・・。」

岩田 「まあ、個人指導の時に気が付いて面白いなと思った内容だから、桃井君でも即答が出ないような半ひねりした内容ではある。

それでは、これに気付いた時に使っていたトルーマン・カポーティのホロスコープをここに載せてみよう。

カポーティは19歳の時にニューヨーカーに掲載された処女作がO.ヘンリー賞を受賞した早熟の天才で、その後も1958年に発表された『ティファニーで朝食を』の映画化などで華やかな話題を振りまいている。でも、その後は1966年の『冷血』まで作品が無いし、『冷血』の後はやはり1980年まで作品が無い。

その間に何をやっていたかと言えば、映画に出演したり上流階級の寵児としてゴシップ欄の常連になっていたり、ということになるんだけど、晩年にはアルコールや薬物の中毒と数々の奇行で、公私共に没落していく。

それで桃井君には、この問いを宿題にしてもらって、その回答は次回の談話室ということにしてみようか?」

桃井 「はい、では次回まで考えてみます。」

a-News 2.32



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