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談 話 室

2003.11.30

東西占星術研究所の鑑定スタイル

桃井 「岩田先生、東西占星術研究所の鑑定スタイルって、独特なんですね。」

岩田 「ああ、最近やった総合鑑定に対する感想のメールのことだね。この人は海外のインド占星術鑑定家も含めて、色々な所で鑑定を受けているから、東西占星術研究所の鑑定の特徴に対して興味深いコメントしてくれているね。」

桃井 「一般の鑑定って、東西占星術研究所のように鑑定内容に使用した技法を説明しないんですね。」

岩田 「私は、羽田先生の残された占星術鑑定書を読んだくらいで、他の占星術家がどんなスタイルで鑑定書を書いているか調査したことがないから、私の鑑定書や最初から私が個人指導した桃井君の鑑定書は、ほぼ完全な東西占星術研究所の手作りスタイルと言ってもいいんじゃないかな。」

桃井 「チャラカさんや暁さんは、岩田先生とはスタイルが違うんですか?」

岩田 「チャラカさんは、私とのコンビが長いから、かなり近いスタイルだと思う。暁さんは、羽田流インド占星術に中国運命学などもミックスする羽田先生の鑑定スタイルを、最も忠実に受け継いでいるから、羽田先生の鑑定書に近いスタイルなんだね。」

桃井 「岩田先生は、MCを使うことはあっても、中国運命学の技法はまったく使いませんね。」

岩田 「インドのように低緯度に位置する国は、MCと10室をイコールとして扱っても、ほとんど問題がないけど、高緯度に位置する欧州はもちろん、中緯度に位置する日本や米国でも、MCと10室をイコールとして扱えないチャートもある。

 だから、仕事をテーマにする鑑定書を書く場合、MCが何室に位置するかを確認すると、見えなかったものが見えて来ることがあるんだ。」

桃井 「低緯度のインドで発達した占星術技法を、中緯度の日本で使用する場合、単純にそのまま技法を適用するわけにはいかないんですね。」

岩田 「インドの伝統文化としてインド占星術を学ぶのでなく、膨大なインド占星術技法の中から、検証によって実占に使える技法を選び出していくという東西占星術研究所の伝統的スタンスは、必然的に高緯度地帯で発達した西洋占星術の技法から、インド占星術を中高緯度でも使えるようにする技法を導入していくことになるんだね。」

桃井 「それじゃあ、公開講座でトピック的に公開しているキロンやリリスを使ったリーディングも、そのうち鑑定書に使うことになるんですか?」

岩田 「それはMCの使用とは少し違った問題になるから、当面は考えていないんだ。でもホームページのコンテンツとして、そのうち一部は公開すると思う。」

桃井 「それは、たのしみですね。」

岩田 「最後に、この感想メールを紹介しておこうか。実際の鑑定では、鑑定依頼メールの希望に沿って鑑定スタイルは柔軟に変更しているけど、この東西占星術研究所の基本的鑑定スタイルに対する感想を読めば、東西占星術研究所に鑑定を申し込む時の、参考になるからね。」

桃井 「そうですね、人によって占星術の鑑定に求めるものが違いますから、自分のニーズに合った鑑定を受けられるといいですね。」


◇岩田一男総合鑑定に対する感想メール◇

チャラカ様
岩田様


鑑定結果を受け取りました。

一言で言うならば、とても価値あるもので
鑑定料に対しても非常に満足できるものでした。

単なる鑑定にとどまらず、技法についての解説が充実している点で
読みごたえ十分の濃厚な内容に感じられました。
一度読んで終わりではなく、これからまだまだ技法について学びつつ
何度も繰り返し楽しめそうです。

また、岩田先生の特質なのか、インド占星術の特質なのか、
鑑定士の個人的主観が述べられておらず、常に客観的な指摘で
その点がとてもすんなりと受け入れられます。
(鑑定内容自体も的を射たものだったので。)

今まで受けてみた鑑定の類の中で、ダントツに満足できました。

−以下の部分は、具体的鑑定内容に対する感想なので省略します。−






2003.11.29

ガンダーンタの領域

桃井 「岩田先生、ガンダーンタって、一体何度までの度数になるんですか?」

岩田 「それじゃあ桃井君、君の知っているガンダーンタの定義を言ってごらん。」

桃井 「蟹座と獅子座の境界、蠍座と射手座の境界、魚座と牡羊座の境界、という3ヶ所に位置する惑星は、ガンダーンタの領域に入ることになり、その惑星には危険が存在するということは知っています。」

岩田 「それじゃあ、どうしてその三つの境界線だけが、ガンダーンタとして危険な領域になっているのか理由を想像出来るかな?」

桃井 「えーっと、12星座の境界線の中で、この三つの境界線に共通する占星術的要素を見つければいいんですね。」

岩田 「そのとおり。」

桃井 「・・・・・・。
 一つ発見したのは、この三つ境界線は『火・地・風・水』という、12星座のエレメントの1サイクルと対応しています。」

岩田 「うん、その発見もなかなか重要だね。ガンダーンタは水のエレメントの星座と火のエレメントの星座の境界線で、星座のエレメントが最も激しく変化するから、危険な領域なんだと解釈している占星術家もいるよ。
 この場合は、星座の境界線両側1°とか、境界線両側30′とかが、ガンダーンタの領域という解釈になるのかな。」

桃井 「エレメントの1サイクル以外にも、この三つの境界線に共通する占星術的要素があるんですか?」

岩田 「もう一つの重要な占星術的要素として、この三つの12星座の境界線は、同時に27ナクシャトラの境界線とも一致しているということだね。」

桃井 「えっ、・・・・・。
 確かにアーシュレーシャーとマガー、ジェーシターとムーラ、レーヴァティーとアシュヴィニーの境界線に一致していますね。」

岩田 「この12星座と27ナクシャトラの境界線が一致する所が、ガンダーンタという見地からすれば、ガンダーンタの領域はナクシャトラの構成単位である1パダということになるね。」

桃井 「1パダは3°20′ですから、ガンダーンタの領域は境界線の両側、各3°20′ということになりますね。」

岩田 「日本語にも翻訳されている、ラオ氏の『Learn Hindu Astology Easily 』でも、母親の自殺した男性のチャートで、魚座の28°35′の月をガンターンタと言っているから、ガンダーンタの領域は星座の境界線両側1°以上は見る必要があると思うね。」

桃井 「でも、両側1パダというとかなり広い領域ですね。」

岩田 「私は実占にガンターンタを使う時、3°20′までは考慮するけど、重要視するのは1°30′以内の領域にしている。」

桃井 「1°30′というのは、どういう理由ですか?」

岩田 「より正確に言えば、3°20′、2°30′、1°30′という3段階だね。この三つの度数の意味を考えると、その理由も分かるから桃井君の宿題にしよう。」

桃井 「はい、考えてきます。」





2003.10.21

トロピカル12星座の支配星とは何か?

岩田 「しばらくトロピカル12星座の談話室が続いたけど、最後にトロピカル12星座の支配星について話してみようと思うんだ。」

桃井 「最後ですか?」

岩田 「このテーマに関して見解を述べると、どうしても論争の色合いを帯びてしまうから、トロピカル12星座に関する談話室は、出来れば今回を最後にしたいんだ。でもここまで見解を表明した以上、『トロピカル12星座の支配星とは何か?』というテーマも話した方がいいと思ってね。」

桃井 「西洋占星術では、トランスサタニアンの天王星・海王星・冥王星を、水瓶座・魚座・蠍座の支配星として割り当てていますが、『トロピカル12星座とは、星座ではなく12ハウスである』という見解に立つと、魚座の支配星は木星か海王星かという論争以前に、『トロピカル12星座に支配星はあるのか?』という議論になってしまいますね。」

岩田 「そのとおり。でも実は『トロピカル12星座とは、星座ではなく12ハウスである』という見解に立つと、逆に水瓶座・魚座・蠍座の支配星を、天王星・海王星・冥王星ではなく土星・木星・火星とするインド占星術の見解と、天王星・海王星・冥王星を水瓶座・魚座・蠍座に割り当てる西洋占星術を両立させることが可能になるという、意外とも言える結論に達することになるんだ。」

桃井 「それはまた、まったく予想もしなかった意外な見解ですね。」

岩田 「インド占星術では、12ハウスにハウスの表示体を割り当てているのは、桃井君も知っているよね。」

桃井 「はい、12ハウスに各ハウスのテーマを表示する惑星を割り当てて、そのハウスについて検討する時は、結論を出す前に必ずハウスのテーマを表示する惑星の状態について検討するというのは、インド占星術では中級以上のホロスコープ・リーディングとして教えてもらう内容ですね。」

岩田 「そうだね、でもこのハウスの表示体ほどインド占星術家の間で意見が別れる技法は無いといってもいいくらい、それぞれの占星術家が各惑星を各ハウスに割り当てて、12ハウスの表示体として使用している。

 したがって12星座の支配星という概念ではなく、トランスサタニアンを12ハウスの表示体として割り当てて、そのハウスの検討をする時にその割り当てた惑星の状態を検討するというホロスコープ・リーディングは、インド占星術のようにサイデリアル占星学派に属する占星術体系と十分共存できる余地があるんだ。」

桃井 「トロピカル12星座の支配星は、星座の支配星ではなく、トロピカル12ハウスの表示体であるということですね。それなら確かに、インド占星術のサイデリアル星座の支配星と正しさを争う必要がありませんね。」

岩田 「優秀なインド占星術家の間でも、ハウスの表示体に関する意見がさまざまに別れ、しかもそれぞれに納得させる根拠を持つということは、ハウスの表示体という概念がもう一次元高いレベルで完成される必要があることを意味しているんじゃないかな。

 だから、トランスサタニアンの12ハウスの表示体への導入という研究は、それが最終的に採用されるかはどうか分からないけど、少なくともハウスの表示体というインド占星術の技法を進化させる大きなきっかけになるような気がするんだ。」

桃井 「確かに、海王星→12室の表示体、天王星→11室の表示体、冥王星→8室の表示体、というのは、なんとなく納得できる雰囲気がありますね。特に海王星→12室の表示体、冥王星→8室の表示体、というのは、これから自分のホロスコープ・リーディングに採用してみようかなと思うくらいのはまり役ですね。」

岩田 「もともとインド占星術でもハウスの表示体は、1ハウスと1惑星が対応しているのではなく、1ハウスに複数の惑星が対応しているから、トランスサタニアンを導入するのは大変容易なんだ。

 もっとも、複数の表示体をどのように使い分けるかという実占的ノウハウが無いと、表示体が増えるだけ混乱が増大することになるけどね。」

桃井 「そういった意味でも、ハウスの表示体を使用したリーディングは中級以上の占星術技法になってしまいますね。」

岩田 「ハウスの表示体の実占的ノウハウは、そのうち東西占星術研究所の公開講座でやることになると思うけど、その時はトランスサタニアンの研究についても話すことが出来るかもしれないね。」

桃井 「ステップアップ講座のシリーズは、東西占星術研究所の最新研究にも話が及ぶから、楽しみにしていいかもしれませんね。」

a-News 2.32



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